7月26日、京都弁護士会で被疑者弁護の研修を行いました。
架空の放火、殺人事件を設定し、逮捕された被疑者の弁護のために、いつ、何を、どのように
すべきなのかを、若手からベテランまで、約50人の弁護士とともに考えました。
皆さん熱心に参加していただき、私からの質問にも積極的に答えていただき、
おかげで、成功のうちに終えることができました。
研修では、参加者の皆さんに、被疑者弁護で大切なこと3つ、そして、それを実現するために
やるべき具体的弁護活動を9つ、持って帰ってもらいました。
研修での私のオープニングトークとクロージングの要旨です。
「何気なくカンダダが頭を上げて、血の池の空を眺めますと、そのひっそりとした暗(やみ)の中を、遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、ひとすじ細く光りながら、するすると自分の上に垂れて参るではございませんか。」
被疑者・被告人にとって、私たち弁護人は地獄に垂らされたいとのようなものかもしれません。
しかし、私たちは、簡単に切れる蜘蛛の糸であってはなりません。
強く、太いザイルにならなければならないのです。
そして、私たちは、お釈迦様のように偉くはありません。
天上から、登ってくるカンダダをただ眺めていてはいけないのです。
ザイルを使って、地獄に降りて、被疑者・被告人を抱えて、もう一度上ってこなければなりません。
この研修で、蜘蛛の糸を、強くて、太いザイルにしましょう。