弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
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法科大学院、どうなる?!

2013-06-20 14:48:44 | インポート

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京都産業大学ロースクールでの刑事模擬裁判の授業に行ってきました。

ロースクール用の殺人未遂事件の教材を使って、学生が裁判官、検察官、弁護人になって、

模擬裁判を行います。

学生とはいえレベルが高く、下手な弁護士や検察官、裁判官よりも良いかもしれません。

  

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立派な法廷教室もあります!  

とはいえ、履修してくれている学生は少数です。

ロースクールが発足した当初は、模擬裁判のような実践的に法律を理解し、社会ですぐにも役に立つ人材を育成するようなカリキュラムに、学生は集まっていました。

ところが、最近は、司法試験に直結しない科目は人気が低迷 

学生の意識が低いというのではなくて、そういう養成システムなのだから当然のことです。

  

残念ながら10年前と比べての弁護士の職域も仕事もほとんど増えていません。

民事事件や破産事件は減少傾向、一時の過払金返還ブームも去りました。

企業や自治体などの内部弁護士も微々たるものです。

刑事事件も治安が良くなり、事件数は激減しています。

増えた仕事というと、被疑者国選弁護や成年後見くらいでしょうが、どちらも単価は安く、倍増した弁護士を養っていけるような規模のものではありません。

合格者3000人どころか、1000人でも、職業としては厳しい状況です。 

  

ロースクールの志願者も1万4000人に激減だとか。

将来に夢や希望を見いだせなければ、優秀な人材が集まるわけがありません。

もう数年もすれば、弁護士になりたいなんていう人はいなくなってしまうでしょう。

試験というのは結局は、志願者数と合格者数から生まれる競争次第だとおもうので、養成制度や試験制度をいくらいじっても仕方がないと思うのですが。

   

いったい、これからどうなるのでしょう? 

   

法科大学院、実績低迷なら強制閉校も 政府検討会議提言

朝日新聞デジタル 6月19日(水)16時33分配信

【西山貴章】

「政府の「法曹養成制度検討会議」(座長=佐々木毅・元学習院大教授)は19日、司法試験の合格率が低い法科大学院を、事実上「強制退場」させる最終提言をまとめた。修了した学生に司法試験の受験資格を与えないなどの法的措置を想定している。成績不振校の切り捨てに、大学院側の強い反発が予想される。

 検討会議は、弁護士など法曹人口の急増による司法試験合格者の就職難から、「司法試験合格者を年間3千人に」とする政府目標の撤廃方針も提言に盛り込んでいる。法科大学院は志願者数が2004年度の7万2800人から今年度は約1万4千人に激減。定員割れの常態化で、司法試験合格者が少ない大学院の存在が問題になっていた。」

朝日新聞社