昨日から、日弁連死刑廃止検討委員会の夏期合宿で熱海に来ています。
抜けるような青空ときれいな海が目の前に広がっていますが、海に近づくこともなく、山の上の研修所に籠もっての合宿です。
合宿では、アメリカのテキサス州の視察報告と世論調査についての研究報告が行われました。
テキサス州は、アメリカでももっとも積極的に死刑が行われている州ですが、数年前に終身刑が法制化され、それ以来、検察官による死刑求刑が減っているとういことでの調査です。
もっとも、殺人事件そのものも減少しており、終身刑を導入したから、死刑が減ったと単純には言えないようです。
日本では、86%が死刑を支持しているとの世論調査の結果が死刑存置の大きな根拠とされています。
もっとも、その世論調査については、よく言われるように設問が「どんな場合でも死刑を廃止すべきである」「場合によっては死刑もやむを得ない」「わからない」という選択肢が、きわめて恣意的だという問題があります。
それだけでなく、回収率が年々下がっている、とりわけ死刑廃止派が多い若年層の回収率が低いというような問題があるそうです。
「86%」という数字だけが一人歩きしていますが、そういう問題について修正をした上で,考えてみる必要があるようです。
また、そもそも、単純に死刑に賛成か、反対かということを聞くことにも問題があるようです。
むしろ、死刑に関する情報を十分に与えた上で、死刑を廃止することを許容できるかどうかということを問うべきなのでしょう。
今回の合宿は、城南信用金庫の研修所をお借りして行っています。
立派な施設ですが、あちこちに信用金庫マンの心構えが貼ってあります。
研修所らしくて、いい感じです。