弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
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総務省、司法試験合格者の見直しを勧告

2012-04-21 11:04:32 | インポート

司法改革に関する総務省の行政評価が2011年に行われ、京都弁護士会に対しても総務省から

ヒアリングが実施されました。私も京都弁護士会の法曹人口担当副会長として対応しました

が、その結果がこのたび公表されました。

  

司法への需要が増えていないにもかかわらず、弁護士が急増したため供給過多になっているこ

、就職難、法曹の質の低下への懸念などから、司法試験合格者の見直しが必要であるとする

ものです。

  

京都弁護士会でのヒアリングの際に、総務省に説明した趣旨に沿ったかたちで結論が出てよか

ったです。

  

総務省からこうした勧告が出たことで、法曹人口問題も大きく転換するのではないかと期待して

います。

「総務省は20日、司法試験の合格者数を「年間3000人程度」とした政府目標について「近い将来の達成は困難」として見直すよう法務省と文部科学省に勧告した。」(日本経済新聞2012年4月20日)http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E3EBE2E19A8DE0E2E2E6E0E2E3E09F9FE2E2E2E2

総務省のHP http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/000056940.html


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2012-04-20 13:52:31 | インポート

 

 

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少年事件

2012-04-20 13:51:21 | インポート

   

どうして、少年犯罪は大人と違った取扱いを受けるのでしょうか?

(法律では、男女の区別なく、未成年者のことを 「少年」 といいます。)

   

刑法では、14歳に満たない者の行為は罰しないとされています。(刑法第41条)

 

少年法では、

罪を犯した少年、14歳に満たないで刑罰にふれる行為をした少年については、

家庭裁判所に審判に付することとされています。

そして、少年に対しては、刑罰ではなく、保護処分(少年院や保護観察)が原則とされ、

一部の重大事件の場合にだけ、成人と同じ刑事裁判を受けさせることとなっています。

成人と同じ刑事裁判になった場合でも、犯行時18歳未満の者に対しては、

死刑をもって処断すべき時は無期刑にするなど刑の緩和が定められていたり、

成人にはない不定期刑という刑罰が定められたりします。

 

少年に、成人とは違う取扱いがなされるのは、

まだ成長途上の未熟な存在であり、周囲の環境の影響を受けやすいため、

少年自身にすべての責任を負わせることができないとともに、

今後の適切な教育や保護によって、立ち直りを期待することがおおいにできるからです。

 

将来の社会を担う少年を、社会から排除することなく、

社会全体で育て、見守り、立ち直る機会を与えるべきであるという精神に基づき、

少年法は、大人とは違う取扱いを定めているのです。

   

Kodomotati1

   

   

少年事件でも弁護士が必要なのでしょうか?

  

家庭裁判所で審判を受ける場合に少年につく弁護士は、

弁護人ではなく、「付添人」 といいます。

少年は、自分の言いたいことがちゃんと言えなかったり、

審判の制度や自分の権利を理解することができなかったりしますので、

成人の場合よりも、さらにいっそう弁護士による援助が必要です。

将来の立ち直りを考えても、家族だけだとどうしても感情的に反発してしまいがちで、

第三者の年長者である弁護士との関わりは重要です。

   

ところが、残念ながら、国選での付添人は、ごく一部の重大事件で例外的にしか

認められていません。

   

家庭裁判所に行くまでの、警察で勾留されている段階は、成人と同じように

被疑者国選弁護制度があるのですが、家庭裁判所に送られたとたんに、弁護士の援助が

受けられなくなってしまうのです。

  

この不合理さを解消するため、現在は日弁連が費用を出して、弁護士を付添人に

することができるようにしていますが、早急に、

国選の付添人制度を大幅に拡大することが求められています。

 

Kazoku

    

  


被疑者国選弁護制度

2012-04-20 13:50:56 | インポート

      

Taiho

      

「刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。 

被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。」                       

(日本国憲法37条3項)

    

  

国選弁護人は、日本国憲法で定められた権利です。

   

しかし、憲法の条文が、「刑事被告人」となっていたために、

逮捕・勾留されてから起訴されるまでの「被疑者」の期間には、

これまで長い間、国選弁護人の制度はありませんでした。

  

そのため、お金のある人は自分で費用を支払って私選弁護人をつけることができるのに、

お金のない人は弁護人をつけることができないという不公平な状態が続いていました。

 

裁判の時に弁護人が必要なことは当然です。

だから、被告人に国選弁護制度が必要なことはもちろんです。

  

しかし、起訴される前の「被疑者」の期間での弁護人もとても重要です。

「被疑者」段階は、警察や検察取り調べを受け、捜査機関と対決しなければなりません。

法律や捜査に素人の被疑者が、弁護人の助力なしに、

捜査機関と対等に戦うことなどとてもできません。

  

 

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その結果、違法な取調べや捜査が行われ、いくつもの冤罪が生まれてしまいました。

全く人違いの冤罪もありました。

犯人であることに間違いはなくても、

やったことよりも重い責任を負わされたという事案は無数にありました。

その原因のほとんどは、被疑者の期間にあります。

 

「被疑者」の期間にこそ、弁護人が必要なのです。

 

2006年(平成18年)から、ようやく、一部の重大事件について、

被疑者国選弁護制度が始まりました。

勾留された後であれば、起訴される前でも、国選弁護人がつく制度ができたのです。

ようやく、お金がない人でも弁護人をつけることができるようになりました。

   

2009年(平成21年)からは、被疑者国選制度の対象となる事件が拡大されました。

窃盗や詐欺、覚醒剤などの薬物事件、強制わいせつ、傷害など、多くの事件で、

勾留された時点から国選弁護人を請求できるようになりました。

 (*一定の資力以下であることが必要です。)

  

ようやく始まった被疑者国選制度ですが、

暴行や公務執行妨害、迷惑防止条例違反(痴漢)など軽微な事件は対象となりません。

また、逮捕されてから勾留されるまでの間(最長で72時間)は、国選弁護人はつきません。   

  

今後、さらに国選弁護制度が拡大していくことが課題となっています。

  

  Himawari


死刑制度の廃止

2012-04-20 13:50:31 | インポート

   

私たちはいつまで死刑を続けるのでしょうか。

     

間違って死刑にしてしまうおそれがあります。

   

裁判官も人です。だから、時には裁判にも間違いがあります。

戦後、裁判で死刑判決が確定した人は850人、そのうち4人は無実とわかって生還しました。

212人に1人が間違って死刑を執行されそうになりました。

本当は無実なのに、死刑が執行されて人もいるかもしれません。

間違った裁判で、かけがえのない命を奪ってしまったら.....   取り返しはつきません。

   

Kizuti

      

世界の多くの国が死刑を廃止しています。

   

世界の中で死刑を廃止した国は141カ国、死刑を存置している国は57カ国です。

世界の3分の2の国が死刑制度を廃止・停止しています。

先進国といわれる国の中で死刑制度が残っているのは、日本とアメリカだけです。

アメリカでも多くの州で死刑が廃止(停止)されており、廃止しようとしている州もあります。

    

Sekaitidu

   

私たちも、そろそろ考えるべきではないでしょうか。

   

京都から死刑制度の廃止をめざす会を立ちあげました。

ホームページはこちら  http://www7.ocn.ne.jp/~kyo_shmk/ 

        

  
  
(2011年08月22日 朝日新聞京都版 司法ボイスに以下の寄稿が掲載されました。)

          

「人の弱さ知り 可能性信じて」

   

「私たち弁護士は、命の問題に向き合うことがあります。

弁護士になって3年目、殺人事件の被告を弁護しました。

被告は、勤め先の女性と関係を持っており、検察官は裁判で

借金をうるさく責める妻が疎ましく、愛人と一緒になるために妻子を殺したと主張しました。

しかし、拘置所で面会した被告は、普通の家庭で育ち、高校卒業後ずっと真面目に

働いてきた、おとなしくて気の弱い人でした。

なぜ事件を起こしたのか、検察官の主張する動機は表面的で、

どうしても腑(ふ)に落ちませんでした。

少しでも真実に迫りたいと思い、被告と同じ状況ならどんな気持ちになるかを何度も考え、

事件当時の被告の追い詰められた心情を推し量りました。

検察官は死刑を求刑しました。2人の命が奪われた結果からすれば当然かもしれません。

私は、被告は普通の人で、私たちも被告と同じ弱さを持っている、

そんな弱さが一定の状況下で「殺人」という行動になってしまったと裁判官に訴えました。

裁判官は判決で、被告に生きて罪を償い続けることを命じました。

恐ろしい事件も、起こすのは普通の人です。

人は誰もが弱さを持ち、間違いを犯すこともあります。

一般市民から選ばれた裁判員なら、被告の弱さも理解できるはず。

被告の命を奪い、社会から消し去るのでは憎しみと悲しみを重ねるばかりです。

人は弱い。けれど可能性がある。だから人を信じて受け入れよう。

憎しみや悲しみを乗り越える社会を、裁判員とともに目指したいと願っています。」

   

朝日新聞HP http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000151108220001

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