弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
弁護士の活動、日々感じたことを弁護士目線でレポートします
弁護士をもっと身近に・・・

リーガル・ハイ第9話 弁護士の選び方

2012-06-16 11:38:39 | インポート

Kougai1     

 テーマは公害訴訟。

 山々に囲まれた美しい集落「旧絹美村」。

 そこに5年前に大企業の化学工場ができて以来、

 住民に健康被害が相次ぐ。

 村の老人たちは、優秀で戦える弁護士を探そうとする。

 噂を聞いた古美門弁護士の法廷に行き、

 その尋問を実際に見て、この弁護士しかいないと得心し

 て、古美門に依頼する。

   

困ったときに、弁護士をどうやって探すか?

多くの人は、ちょっと知っているとか、知り合いに紹介してもらったり、弁護士会の法律相談で

たまたま担当だったとか....

でも、この老人たちのように、法廷を実際にその弁護士を見て選ぶというのが、

いちばんいい選び方かもしれません。

法廷、特に証人尋問に、弁護士の力量がいちばんよく現れてきます。ときには、その人格も。

私も、法廷で選ばれるように頑張らないと!

     

もう一つ、古美門の偉かったところ。

依頼者が田舎者だから、老人だから、貧しいからといって、侮らず、態度を変えないところ。

こういう依頼者だから、この程度の結論で落ち着かせとけばいいだろうと誤魔化さないで、

老人たちに対等に接して、弁護士としてベストを尽くそうとするところ。

見習わないと。

Bennronn     

リーガル・ハイ第9話はこちら

http://www.fujitv.co.jp/legal-high/story/story09.html


リーガル・ハイ第8話                          ~感情移入~

2012-06-10 14:16:16 | インポート

Oyako_2  テーマは「親権」

 天才子役が、その事務所社長である母親に対して、親権の停止

 を求める審判を古美門弁護士に依頼する。

 さて、この親権停止は、民法が改正されて、本年4月から新しく

 始まった制度。

 子どもからも申し立てをすることができます。

    

民法第834条の2
父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。
  家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、二年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。
   
古美門に対抗するのは、元検察官の古美門弁護士(中村敦夫)、
   
そう、古美門弁護士(堺雅人)の実の父親。
  
古美門親子にも親子の葛藤があり、冷淡な古美門弁護士も動揺し、依頼者である天才子役
    
に感情移入していく。
   
     
弁護士も人間です。生い立ちや生育、人生があります。
 
依頼者に共感し、感情移入してしまうこともあります。
  
しかし、他方で、常に冷静な第三者でいなければ、弁護士としてプロフェッショナルの仕事はでき    
   
ません。
   
依頼者とともに悩み、苦しむとともに、法律家として冷めていることとのバランスが求められます。
  
Nayami
   
リーガル・ハイ第8話はこちら
  

チョコ缶事件!! ちょっとかわいい。

2012-06-08 09:22:30 | インポート

    

裁判員裁判で初の全面無罪判決は、千葉地裁の覚せい剤密輸事件でした。

この事件は東京高裁で逆転有罪となっていましたが、最高裁で、再度、無罪となりました。

弁護人は、千葉弁護士会の浦﨑寛泰弁護士ら。

お土産として預かったチョコレートに缶に覚せい剤が入っていたことから、「チョコ缶事件」と名付

けられたそうです。  

Namae

事件名には、事件の起こった地名を冠したものが一般的です。

例えば、足利事件、布川事件、日野町事件、氷見事件、志布志事件、財田川事件、島田事件、

松山事件、飯塚事件、秋葉原事件、池田小学校事件などたくさんあります。

    

被告人の名前を冠した免田事件、袴田事件などもあります。

   

東電OL殺人事件、坂本堤弁護士一家殺人事件、公証人役場事務長逮捕監禁致死事件のよう

に被害者のキャラクターに着目したもの、

名張毒ぶどう酒事件、地下鉄サリン事件、三菱重工爆破事件、大韓航空機爆破事件のように

事件内容に着目したものもあります。

  

ユニークなネーミングとしては、信玄公旗掛松事件、カフェー丸玉女給事件、桃中軒雲右衛門事

件といったものもあります。

    

「チョコ缶事件」!!! 事件内容に着目したネーミングの一つですが、ちょっとお茶目です。

誰が名付けているのかよくわかりませんが、マスコミなどで自然と名前ができあがってくるようです。


答えのわからない質問をしない! ~弁護技術を生活に vol.8~

2012-06-04 13:56:54 | インポート

Gimon3   

 

 

 

 

敵側の証人に何を質問しようか?

相手方の主張や証拠を見ながら思案していると、「この点はどうなっているんだろう?」と疑問に思うところがいろいろと出てきます。

 

ところが、こういう疑問を素直に証人にぶつけてしまうと、かえって不利な事実が出てきたり、相手方の主張を固めてしまったりすることが多いのです。

尋問の鉄則は、「答えの予測できない質問は絶対にしてはいけない。」です。

      

世界的ベストセラーで、日本でも2012年本屋大賞翻訳小説部門第1位になったフェルディナント・フォン・シーラッハ作「犯罪」でも、

「弁護人が証人に尋問する場合にもっとも重要なのは、自分が答えを知らない質問は絶対にしないということだ。予想外の結果は望ましいことではない。依頼人の運命をもてあそんではいけないのだ。」 と書かれていますが、

そのとおり!

弁護人が素朴な疑問を尋ねることは、依頼人をリスクにさらすことになるのです。

   

思いついたことを何でも口に出してはいけないというのは、普段の会話でも一緒ですね!

       

「犯罪」 フェルディナント・フォン・シーラッハ

http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488013363

 

 

 

 


リーガル・ハイ第7話 ~司法過疎~

2012-06-02 22:06:18 | インポート

テーマは「遺産相続」

地方の企業、徳松醤油の大旦那様の跡目を、3人の子が奪い合う。

3通の遺言状があり、遺言無効が裁判で争われます。

さて、裁判出廷の日、古美門弁護士(堺雅人)は、黛弁護士(新垣結衣)に朝6時に叩き起こ

されて、怒ります。

しかし、早起きにはわけがありました。

そう、その地方から裁判所までは、3時間半!! かかるのです。

現実にも、長時間をかけないと裁判所に行くことのできない地域がたくさんあります。

Waduka  京都はまだ比較的ましな方ですが、たとえば、世界的にも

 茶源郷として有名な和束町の人が、遺産分割や離婚問題を

 抱えたときには、京都市左京区の下鴨神社隣にある京都家

 庭裁判所まで行かなければなりません。

 和束町HP http://www.town.wazuka.lg.jp/

    

北海道などは、冬になれば、裁判所に行くために遭難するおそれもあるようです。

様々なトラブルをちゃんと法律で解決しようと思えば、もっと身近に裁判所が必要ですね。

   

リーガル・ハイ第7話のストーリーはこちら。

http://www.fujitv.co.jp/legal-high/story/story07.html