PAC3配備改めて容認/下地市長
「きちんと対応当たり前」/上里氏「平和都市宣言に反する」/市議会一般質問
下地敏彦市長は22日、北朝鮮ミサイル発射に備え宮古島市に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備されたことに対し、「想定の範囲内で、きちんとした対応をするのは当たり前である。宮古島の市長として市民の生命、財産を守るというのは第1次的に考えていかなければならない最重要課題だ」と述べ、政府の対応に理解を示した。同日行われた市議会一般質問で上里樹氏の質問に答えた。
同質問の中で、上里氏が「市役所内の総務部長室は戦時体制のようだった」との発言に対し、下地市長が答弁を拒否する一幕もあったが、その後、下地市長が陳謝した。
上里氏は、PAC3の配備は、戦争で多くの命が失われた悲惨な体験を忘れることなく平和の尊さを後世に伝えていくために宮古島市が宣言した「核兵器廃絶平和都市宣言」の理念に反するとして、下地市長の見解を求めた。
下地市長は答弁で「非常時に対して万全の対策を取るということを理解していただきたい」と述べ、「平和都市」の理念に反しないと主張。「例えて言うなら空き巣狙いがいるのに、私の家は鍵を掛けていませんというわけにはいかない。空き巣がいるのならちゃんと鍵を掛けて、十分に備えることが必要である」と述べた。
この日の一般質問には上里氏のほか、嘉手納学氏、下地智氏、高吉幸光氏、垣花健志氏の5人が登壇した。
一般質問3日目25日に行われ、5人が登壇の予定。
下地市長/答弁拒否、その後陳謝/上里氏の「戦時体制」に反発
22日の市議会の一般質問で、上里樹氏が地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の宮古島配備に関し「市役所の総務部長室は戦時体制のようだった」との発言に、そうな言い方はないだろう。取り消さない限り答弁しない」と述べ、午前中の議事が約1時間ストップした。
上里氏は「表現の自由。私がそのように感じた理由は、(自衛隊員が)迷彩色の軍服姿で鉄かぶととをかぶって総務部長室にいた。国会に置き換えて言えば、内閣府に自衛隊が介入するようなもの。議員の質問にそんな答え方はない」と反論した。
下地市長は午後1時30分から再開した一般質問の答弁の冒頭、「私が少し言い過ぎた。議事を中断させたことに対し、議長はじめ議員の皆様にお詫びを申し上げたい」と陳謝。その後、上里氏の質問に答弁し、「戦時体制ではなく、非常時体制だ」と述べた。
下地市長は一般質問終了後、マスコミに対して「市役所が戦時体制さながらだったという発言は、公の場で市民に誤解を与えてしまう。なぜ戦時体制という発言をしたのか真意を聞きたかった。議場では品位を保った発言をすべきではないか」などと釈明した。
*その折の画像を再録する。迷彩服は正式には戦闘服という。隊員が戦闘服を着て、鉄かぶとをかぶったまま市役所を行き交うことは、誤解どころか、市民のよけいな不安をあおり、自衛隊の存在を誇示するものではないか。ちなみに仲井真県知事は県庁には私服で来るようのに指示していたという(普)
陸自音楽隊が演奏会/市民団体「宣伝活動」と抗議
陸自第15音楽隊が「キッチン変奏曲」など多彩な演目を披露した=21日、マティダ市民劇場
陸上自衛隊第15音楽隊の演奏会「みゃ~く・ふれあいコンサート」が21日夕、マティダ市民劇場で開催された。840人余りの市民が同コンサート会場を訪れ、多彩な演目を楽しんだ。一方、平和市民団体は「子どもたちの未来に軍隊は要らない」として同演奏会に抗議する集会を開いた。
コンサートは1部、2部で構成され、創隊50周年記念行進曲「凱旋」などの演目を披露。シュライナー作曲の「インマークライナー」などのクラリネットソロ曲や、ギリス作曲の「キッチン変奏曲」などを演奏し、集まった聴衆を魅了した。
会場の外では「宮古島に自衛隊基地はいらない」との横断幕を掲げ、平和市民団体が同演奏会に抗議する集会を開いた。
宮古平和運動連絡協議会の星野勉共同代表は「軍隊を鼓舞するための音楽は、宮古への自衛隊基地誘致のための宣伝活動にほかならない。軍隊はけして平和を生み出すものではない」と述べ、同コンサート開催に強く抗議することを訴えた。
(宮古毎日新聞より)