陸上自衛隊中央音楽隊の演奏会に反対する声明
陸上自衛隊の中央音楽隊が、来る2月8日にマティダ市民劇場で「みゃ~く特別演奏会」と称する演奏会を開催します。同音楽隊は石垣市、宜野湾市、名護市でも同様に開催する予定になっています。
自衛隊の音楽隊は過去には学校などに出向き、生の音楽に触れると称して学校内でも制服姿で演奏会を行い、さらに自衛隊募集の資料を配布するなど、教育の自主性、民主的教育の面からも重大な問題がある活動を行ってきました。
軍隊の演奏は、本来軍隊の戦闘的な士気を鼓舞するためのもので、同時に住民に音楽を通して軍隊の存在を示すことで、「親密感」を養うことを目的にしているものです。「素敵な音楽を楽しみたい」という住民の、とりわけ子どもたちの純粋な要求に応えるかのような態度で、実のところは、そのような気持ちを利用して自衛隊に親しみを持たせて自衛隊を受け入れさせる「宣撫(せんぶ)活動」であります。
事実、昨年12月17日に政府・防衛省が発表した大綱には、「各種事態において自衛隊が的 確に対処するため、地方公共団体等の緊密な連携は、自衛官の募集、再就職支援の確保といった観点からも極めて重要で、平素から地方公共団体や地元住民に対し、防衛省・自衛隊の政策や活動に関する積極的な広報等の各種施策を行い、その理解及び協力の獲得に努める。」と明確に市民を手なづけるための「宣撫指針」を定めています。
昨年12月27日、仲井真知事は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた埋め立て申請を承認しましたが、移設計画への賛否が最大の争点となった名護市長選挙では、移設に反対する稲嶺氏が勝利しました。しかし、政府は積極的平和主義の名のもとに日米同盟の強化を重視し、地元名護市民が明確にノーの意思表示したにも関わらず、強引に辺野古新基地建設が進めようとしています。
宮古島においても、防衛省の中期防衛計画の中で、島嶼部に対する攻撃への対応として、与那国への沿岸監視部隊の配置や先島への初動部隊の配置が計画されており、その「地ならし」としてPAC3や地対艦ミサイルの一時配備が行われてきました。また、下地島空港の利活用の空白化を見越して「防災訓練施設」という名目の軍事利用も計画されています。
私たちは宮古の平和を守るため、軍事化・軍事利用に反対し、次々と押し寄せる「軍事化」の波を「宮古の平和の危機」と捉え、今回の自衛隊の演奏会も、この「宮古の軍事化」の流れと同様であると考え、陸上自衛隊中央音楽隊の演奏会の開催に強く反対し、また、このような政治的な意図のある行事に、児童・生徒を利用し、動員することにも強く反対します。
2014年2月3日
宮古平和運動連絡協議会
平和運動センター宮古島