理恵が宇礼市を去る二日前、・・・ 2016-02-28 19:08:24 | 小説 理恵が宇礼市を去る二日前、雄造にも知られていないと知り、幸男は引いた血がもどる気分だ。木曜日、会社の帰路の夕ぐれに例の喫茶店にふらりと立ち寄っていたが、幸男の姿を見るなり彼が何とも獲物を狙った態度で、幸男の肝をつぶして、店内には相変わらずアイドル歌手の声が満ち、幸男の後悔を増幅させる。 (「おしのび」つづく)