50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

わからなくはないがクモ・・・

2015-02-14 19:21:22 | 小説
わからなくはないがクモには、どうにも返答の言葉がない。曽根崎心中は舞台も活字にも何度か接してきていますが・・・・・・。若者の失礼を咎める勇気もない。
「父のお友だちと思ってつい・・・・・・すみません」
クモにすれば若者が、そうこなくては嘘だったのだ。友人の子息でさすがにおしゃれなとこは、買える。そういって冗長な話は好むところでないが、クモは次第に彼の話に今日の演目を置きかえさせられている。
「その田舎をでてきた口だがね」
といって笑う外ない、クモだった。

(つづく)


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