けさの朝日新聞の新潟県版に、「上越市議会の最大会派が、北陸新幹線開業に伴いJRから分離される並行在来線は県や自治体で運営するべきではなくバス運行で対応するべきだとの提案書を、上越市長に提出した」との記事がありました。地元自治体の首長は反対のメッセージを出しているようです。どちらにしたらいいかということなどは私にはよくわかりませんが、在来線を運営すれば赤字は必至であろうし、バス運行では不便であろうし、どちらになっても大変でありましょう。
今更の「たられば」なのですが、私は北陸新幹線はこのルートにするべきではなかったのだと考えています。このルートが決まったのは長野オリンピックが決定的であったと聞きます。それはそうとして、実は上越新幹線の長岡駅には幻のホームがあります。田中角栄氏はかつてこのホームで「次はこのホームから、柏崎・直江津を経て北陸に向かう新幹線が出発する日が来る」というようなことを言ったらしいです。少なくともこういったルートの構想も、当初はあったのでしょう。しかし長野オリンピック開催で、今のルートが決定的になったようです。
では長野オリンピックの招致に強い力を出したのは誰だったでしょう。招致当時のJOC会長であるわけです。この人はなぜ長野にオリンピックを招致したかったのでしょうか。それは長野に新幹線を持ってきたかったからだといわれます。なぜなら軽井沢から長野市にかけての一帯には、この元会長のお庭のようなところがたくさんあったからです。長野に新幹線を持ってくればこのお庭が潤うわけです。そして、横川⇔軽井沢の在来線なんかなくなっても、この人には全然関係なかったわけです。
では長岡ルートはどうであるかというと、これも非効率的です。地図を見ていただければおわかりになると思いますが、かなり大回りになります。このルートの構想も、角栄氏のお庭のようなところとを潤わせることと無関係ではなかったように思えます。
ならば北陸新幹線はどのルートが1番良かったのででしょうか?地図を見ていただければ一目瞭然です。上越⇔越後湯沢の内陸に新幹線線を通せば、上越⇔長野とだいたい同じ距離です。もしこのあたりのルートにしていれば、高崎⇔長野の敷設代は必要なかったということになります。しかも信じ難いのですが、この越後湯沢⇔上越間には、新幹線に準ずる高規格の「ほくほく線」が、1997年に開業しているわけです。
さらには北陸新幹線長野⇔富山が開通すると、このほくほく線は赤字になるといわれているのです。もっといえば、上越新幹線の高崎⇔越後湯沢間も乗る人がいなくなるといわれているのです。上越新幹線は東京⇔越後湯沢の乗客でもっているといわれます。私も時々利用しますが、下りの場合越後湯沢を過ぎるとガラガラになってしまうことがあります。北陸新幹線が開業すれば、上越新幹線は「過疎新幹線」になるともいわれています。
なんだかおかしな話です。それに最短のルートで作っていれば、今頃はもう金沢あたりまで開業していたのではないでしょうか?
北陸新幹線建設予定地域内埋蔵文化財緊急分布調査報告書〈昭和50年度〉 (1976年) | |
長野県教育委員会 | |
長野県教育委員会 |
21世紀にのこる乗りもの 新幹線―北陸新幹線建設促進運動の軌跡 | |
新潟県上越市 | |
新潟県上越市 |
富山から拡がる交通革命―ライトレールから北陸新幹線開業にむけて (交通新聞社新書) | |
森口 将之 | |
交通新聞社 |
JR東日本全線【決定版】鉄道地図帳2上越・北陸新幹線編 (Gakken Mook) | |
今尾 恵介,今尾 恵介 | |
学習研究社 |
私は長野新幹線はどう考えても無理な構想だったと考えています。
長野・新潟どっちも通そうとするからヘンなことになるわけで
>やるなら長野と黒部をダイレクトに結べばまだましだった
これハナから無理だとわかっていたという話を聞いた事があります。
でもそれが出来れば一番良いわけで、今の技術と照らし合わせてどうだったのかとか、関心ありますね。
>長野・新潟どっちも通そうとするからヘンなことになるわけで
上越市を通らせるという事について、政治的力があったという話しは聞きませんねえ。
新潟に住んでの実感は、県都新潟市の政治家や役人にとって、120キロ離れた上越市に対する感心は薄いわけで。
やはり「最初に長野ありき」のルートであったように思います。
上越のゴロツキ政治屋のせいでこのざま、しかもバカ知事にいたって金は出さないが県内駅全停車条件とほざくしまつでないか!
上越新線湯沢止なら3本/日位県内1駅停車も有りか?
長野新幹線を長野止まりにして、
北陸新幹線を越後湯沢から分岐させなかったのは不思議。
富山・金沢に行かれる方は長野を通過する必然性は必ずしもないからです.越後湯沢,上越を通っても不都合なく,そちらの方が早いのではないでしょうか.
個人的には,上越高田から長野の間は,自然が豊かなところ.在来線で風情を残した方が逆に良かったと思うのです.
お2方の意見に賛成です。
ただ、ほくほく線は狭軌なので、新幹線を通らせるのは無理なのかもしれません。
東京育ちの私ですが父の出身が富山、母の出身が新潟のため大分興味深く読ませていただきました。
ほくほく線は高規格でありまた、北陸新幹線ルートの西側の敦賀から先(湖西線)も高規格のため
ミニ新幹線を通せば金沢といわず京都まで既に開通していたかもしれませんね。
という反面、長岡経由のフル規格新幹線もまた別の理由で"欲しいな"と考えます。
それは"日本海縦貫線ルートの新幹線として"です。
大阪から金沢、富山、新潟、山形、秋田と日本海側を通り青森へ行く新幹線です。
その一部としての金沢~長岡ならば北陸新幹線が長岡を経由しても良いと考えます。
日本海側の交通路の整備を理由として僕はこっちの案に手を挙げます。
利用者数的には利が少ないですが。。。
いずれにしろ『長野は無い』という意見には100%賛成ですね。