てがみ

手紙を送ったりもらったりすることがなくなりました。
電子メールの普及でしょう。オフィシャル、プライベートいずれも電子メールが主流となりました。
一年一回年賀状だけは出すようにしています。その年賀状も近ごろでは手書きが少なくなりました。

手書きの手紙をやりとりしている時代には手紙をテーマにした詞がたくさんありました。
そのなかにいろんなドラマを想像する楽しみがあったように思います。

時には化粧を変えてごらんなさい
　　　　　　　詞・曲　高石ともや

昨日　便りが届きました
ひとりぼっちがさみしいと
きっと涙が落ちたのでしょう
青い筆あとぼやけています
さみしいあなたにふさわしく
時には化粧を変えてごらんなさい
時には化粧を変えてごらんなさい

あなたと一緒に泣くほどに
気弱な僕でもありませぬ
さみしいあなたを励ますほどに
陽気な僕でもありませぬ
少しは気分も変わるでしょう
時には化粧を変えてごらんなさい
時には化粧を変えてごらんなさい


この歌にも手紙（便り）が出てきます。「青い筆あと」という文句からこれも今はめったに使われることのなくなった万年筆で書かれた手紙なんでしょう。たぶんメールでは味わえない気分ではないかと思います。

この歌を初めて聞いたのが十代の後半。そのときはなんか湿っぽい気がしてそんなに好きにはなれなかったのですが、齢を重ねるごとに口ずさむ回数が増えてきました。今も時折知らず知らず口をついて出ます。
自分自身、他人（ひと）に対しての押し付けでない「優しさ」と「励まし」の気持ちがわかるようになったのかなと思います。