お供のE多忙につき、本日も以前観たきり書きそびれていた展覧会話でございます。
Bunkamura ザ・ミュージアム「ゴールドマンコレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力」
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/
イスラエル・ゴールドマン氏は、世界屈指の暁斎コレクター。
「なぜ暁斎を集めるのですか?」と問われ、「暁斎は面白いからですよ。」と答えなさったとか。
ええ、河鍋暁斎は面白くて楽しいですのぅ。
そんなゴールドマンコレクションから173点が、7つの構成で展示されてございます。
★【序章 出会いーゴールドマン コレクションの始まり】
最初にお出迎えの《象とたぬき》が、暁斎を蒐集するきっかけだったそうな。
★【第1章 万国飛ー世界を飛び回った鴉たち】
墨画、淡彩画、色摺版画など、12点のカラス作品に囲まれて嬉しゅうござります。
《枯木に夜鴉》と《烏瓜に二羽の鴉》がお気に入り。
《柳に鴉と鷺》は、正面顔のカラスが描かれております。
全くの余談ですが、鳥好きのわたくし、家の近くで見かけるカラスを慣らしてみたいと密かに思ったりしますのじゃ。
ご近所迷惑になるゆえ決して実行には移しませぬが、知能が高いとされるカラスを餌付けして慣らしたら、良い使い魔になるやもしれぬ。フフ
★【第2章 躍動するいのちー動物たちの世界】
様々な動物が登場するこの章も楽しゅうございます。
数え年7歳で歌川国芳に弟子入りした暁斎は、師匠の影響か猫好きで、たくさんの猫を飼っていたそうな。
《動物の曲芸》は、着物を着て曲芸する動物達が、生き生きと描かれております。
《雨中さぎ》白黒モダ~ン。
★【第3章 幕末明治ー転換期のざわめきとにぎわい】
時代の転換期も冷静に観察し、動物を擬人化して風刺したりもいたします。
暁斎お得意のカエルの絵も色々。
猫と鯰が一緒に登場する作品は1章にもございますが、鯰は役人、猫は芸者の例えですと。
鯰は英語でキャットフィッシュとも言いますのぅ。
色鮮やかな錦絵も何点かございます。
《(岡田屋内)於ろく》美人じゃ。
★【第4章 戯れるー福と笑いをもたらす守り神】
七福神やら鍾馗やら鬼やら。
《鷹に追われる風神》は、鷹から必死で逃げる風神が可笑しく、スピード感ありありでたいそうお気に入り。
第4章の奥の【笑うー人間と性】には、ユーモラスな春画が。
★【第5章 百鬼繚乱ー異界への誘い】
幽霊や百鬼も、怖いものからユーモラスなものまで様々。
リアルな《幽霊図》は、下絵と共に展示されてございます。
《地獄太夫と一休》は2点ございます。
左に展示の作品は、一休の衣が墨でざっくり描かれているのに対し、地獄太夫の鮮やかな打掛の地獄模様が緻密細密。
右に展示の作品は、地獄太夫の回りで踊る小さな骸骨達と、三味線を弾く大きな骸骨も面白い。
《三味線を弾く洋装の骸骨と踊る妖怪》《化け物絵巻》《百鬼夜行図屏風》もお気に入り。
★【第6章 祈るー仏と神仙、先人への尊崇】
ユーモアが影を潜めた作品も多く、作風の違いに驚きまする。
《霊昭女》美しいのぅ。
《祈る女と烏》は、祈る美人に対して、向かい合う烏が異様に大きい。
様々なスタイルの暁斎を一度に観る事が出来、楽しゅうござりました。
会期は4月16日まで。
★おまけ画像
この日のランチはちと物足りずw