プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< ある天文学者の恋文 >

2022年06月24日 | テレビで見た映画。
予備知識全くなしで見始めた。
期待としては、フェルメールの「天文学者」を基にした時代物とかだったら
嬉しいなーと思ったが、残念ながら現代物。
しかもしょっぱなから不倫カップルの話かい。

そして突然アクション映画になる。てっきりCMに入ったもんだと思って
録画を飛ばそうとリモコンを手に取ったが、危ういところで正編だと気がついた。
この段階でこの男女の関係性がよくわからず、いろいろ疑問もあったのだが、
ながら見ながらけっこう引き込まれて見ていた。

空気感が好きだったですね。
不倫じゃなかったらもっといいなあと思ったが。
「奥さんに悪いわ」という台詞があった気がするから、全然出て来ないけど
奥さんはいて、ただの不倫だと思う。

それで死後、娘しか登場しないというのがおかしいけどね。
奥さんが死んでいて、しかし娘が自分と同じ年の相手と付き合うことに
嫌悪感を示しているという話にも出来たと思うけど。
しかも息子が相当小さいので、わたしは娘ではなく、あれが奥さんだと思ってた。
見た感じ、同じ年に見えない2人だったし。

まあ関係性の設定には否定的だが、描いてある内容は良かった。
序盤はミステリアスなんだよね。
「教授は亡くなりました」と教室で聞いているその直前にラインが来ている
状況がシュール。ここ、けっこうぞくぞくした。
そして教授が本当に死んでいるのか確認する行動も。
もうちょっと直接的な行動があるだろうとは思うが、
ここから実は教授という存在はいなかった、とか謎追及の話になるのかと思ったり。

結局そこまでではなく、普通にラブロマンスになるんだけど。
主役二人の演技が魅力的だったのでけっこう見入っていた。
いや、そこまで行動は読めないやろ、というつっこみはしつつ。

むしろ気になったのは、主人公の女性がどこに住んでるのかということだね。
いるのはイギリス?ロンドン?
教授はエディンバラ在住だよね?
で、別荘はイタリア?ロンドンーミラノ間は、日本でいえばせいぜい
東京ー福岡間の距離感だろうが、それでも学生の分際で何度も何度も
その飛行機代を出すのはすごいというか……

結局空気感なんだよな。気に入ったのは。
別荘の風景も美しい。全体的に青い風景。
わたしは映画などは話で評価することが多いけど、この映画は空気感を見て吉。

最後はあれで良かったですか。ちょっと不満だよ。少しぶん投げた感がある。
しかしかっちりきっちり締める話でもないか。

天文学者というのが効いてる。数学者でも行けたかもしれないが。
ただヒロインの論文のタイトルは甘さだけが前面に出て、何の研究なんだよとは思った。
理系の学生でバイトでスタントというのも、時間的に両立するだろうか。

ジェレミー・アイアンズはいいですねえ。
ちょっと拾い物の映画。同じ監督の「海の上のピアニスト」も見てみようかなあ。


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