プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 恩田陸「終わりなき夜に生まれつく」

2021年03月25日 | ◇読んだ本の感想。
この人、相変わらず世界を魔法のように構築するが、収束できないんだよなあ……。
と思っていたら、これスピンオフなんですか。
スピンオフの短編集。それなら1冊で完結しなくても無理ない。

「夜の底は柔らかな幻」のスピンオフらしい。
……えーと。わたしは恩田陸の作品を出版順にだいたい読んできたはずなのだが、
まったく覚えてない。恩田陸の作品は中身とタイトルが全然くっついてないものが
多いのだが、Amazonのあらすじを読んでもまったくよみがえってこない。
そもそも作中に出て来る「途鎖」という地名がピンとこなかった時点で。

読んでなかったかなあ。それとも記憶から完全に抹消されているだけなのか。
正直、わたしにとって恩田陸の小説は記憶に残るタイプの小説ではないのだが、
そんなに真っ白に抹消されるというのもコワイ。記憶喪失か?


これは「夜の底は柔らかな幻」を読んでから(記憶に残した状態で)
読んだ方がいいね。でないと不満が残りそう。

わたしは恩田陸の作品そのものというよりも、作家としての腕力を楽しんでいるので
尻切れトンボになりがちな結末に文句をいいつつ読んでいるんだけどね。
でも本作はスピンオフということを知った上で読みたかった。
え?これで終わり?と絶対に思うから。
絶対にはいいすぎか。多分。

構築した世界は魅力的なのだが……。今時ですよね。
今時の創作物は設定を作ることだけで満足しがち。
恩田陸は設定だけの作家とはいわないが、やっぱりわたしとしてはもっと
結末に力を入れて欲しい。恩田陸には、最後のしっぽまで揃った面白い小説を
書いて欲しいと思いますよ。

近年の作品は特に尻切れトンボが多いので。次作に期待。

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