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◇ ケント公妃マリー・クリスチーヌ「異国へ嫁した姫君たち ヨーロッパ王室裏面史」

2020年09月28日 | ◇読んだ本の感想。
10年くらい前にナポレオン三世皇妃ウージェニーの何かを読んでみようとして
ようやく順番が回ってきた。

この他に2、3冊、がっつりウージェニーについて読んだので、これで最後。
1冊に8人の姫君の話。エカテリーナ2世、マリー・アントワネット、
マリア・カロリーナ、レオポルディナ、ウージェニー、ヴィッキー、
アレクサンドラとミニー。

エカテリーナ2世とマリー・アントワネット、ウージェニーは
歴史上の人物として知っているけど、その他の人は名前を聞いてもピンとこない。
読んだ後でもピンとこない。誰が誰だったかもう忘れてしまった。


が、読んでるうちは面白かったです。

売りは本人も貴族階級に連なる人だということ。でも出身はボヘミア。
オーストリア辺りの貴族の出自だそうだから、ハプスブルグ家あたりの口伝はあるかも。
前書きでいかにも家庭がたりに語りだすので、これが1冊続くのは嫌だなあと思ったが、
本文は冷静な語り口だった。

むしろ普通の歴史エッセイで、あまり貴族階級の利は感じなかったかな。
時代が近い、ヴィッキーやアレクサンドラとミニーなんかは聞き書きな部分も感じたけど。

が、その聞き書きのせいか、同じ人について「その結婚生活は幸せだった」と書いた後に
「夫の浮気に耐えなければならなかった」と書いたり、
多少首尾一貫してなくてちょっとすっきりしなかった部分もあった。

マリア・カロリーナ、レオポルディナ、ヴィッキー、アレクサンドラとミニー。
……正直もう忘れた。が、読めたことは良かった。

ヨーロッパの王族はみんな親戚、という意識はあるだろうけど、
それでも当然「外国女」が王妃になるとなれば、その背景が気になるし、
ヴィッキーみたいに母のヴィクトリア女王と嫁いでからもべったりで、
母子して「遅れたプロシアを啓蒙しなければ!」とか思っているのもうざい。

でもそれまで育って来た環境の方がどう考えても快適で合理的な場合は、
改善したいとは思うだろうしなあ……。
でも改善される方は、今までの状態が正常だから、改善されたいとは思ってないしな。
そこらへんでごたごたが起こる。アントワネットはフランスに溶け込もうとした
人な気がするけど、やっぱり「オーストリア女」だったしね。

王族稼業も大変です。


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