プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ エリザベス・コストヴァ「ヒストリアン」

2019年09月01日 | ◇読んだ本の感想。
これはおよそ8年前に、当時やっていたオンライン英会話の講師、MARIEから
「面白いよ」とおすすめされたもの。
この人はえらく知識量が多い人で、好奇心も強くて、
当時彼女は大学生だったはずだが、わたしの出す話題にかなりの割合でついてこられ、
「源氏物語」の名前を出した時も「Oh,lady Murasakiのね?」と一発でわかる。
わたしがフィリピンの文学、小説家について欠片も知らないというのに。
ひそかに尊敬していた。今も元気だろうか。

そんなMARIEおすすめの今作。

それはそれ、これはこれ、と思いつつ読んだが、けっこう面白かった。
厚いわりにはさくさく読めた。ただ上巻というか前半の方が面白かったから、
下巻は少し地味だと感じた。

ヴラド・ツェペシュが出てこない方がいいんだよね。多分。
そんなに本が好きなら、みんなでお友達になればいいじゃん、って感じ。

話がちょっとわかりにくいのは、一人称の視点人物が複数いること。
最初に語り始める女の子。
女の子のお父さん、年配バージョン。
女の子のお父さん、若者バージョン。
女の子のお父さんの指導教授、年配バージョン。
女の子のお父さんの指導教授、若者バージョン。

計5人。登場人物としては3人だけど、それぞれ年配と若者時代があっちこっち飛ぶ。
しかもお父さんもお父さんの指導教授も学者だし、その2人が似たような経験をしているわけで、
混乱するわ。3世代の話だしね。
そういう込み入った話のわりに上手く描き分けているというべきなのかもしれないが。
わからなくなるということはない。しかし視点が変わるごとに
「えーと、これがこれだから……」と一瞬立ち止まっての確認が必要。

お母さんは魅力的だけど、現状には納得出来なかったな。

追跡劇というか、追跡され劇としては面白いです。
しかしなんというか、ストーリーの面白さで読ませる話でもないからなー。
サスペンスフルなところもあるんだけどね。やはり最後の着地が決まらなかった印象。

これはむしろ雰囲気を読む本。外国の話、本の話、吸血鬼の話、
そういう「雰囲気」を読んで楽しむ本。
ルーマニアやブルガリアも行ってみたいと思うもの。
じっくり派なら楽しめると思います。
「白鳥泥棒」も読んでみる予定。


ヒストリアン・I
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エリザベス・コストヴァ 高瀬 素子
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