超音波洗浄器にガラス容器を入れる・・・
「メガネの超音波洗浄器」の使用方法(ノウハウ)を提示します
1)超音波を強くしたい場合は、洗剤を数滴入れて使用する
2)金魚のポンプを利用して液循環させる
(循環量 毎分400ccぐらい
なるべく水面付近(水面から3cm)からすいこみ
底面の角部に吐き出す
全体がゆったり流れるようにする )
3)洗浄後、新しい洗浄液でもう一度リンス洗浄を行う
(あるいは コップに入れて間接リンス洗浄する
コップはなるべくビーカーに近い形状のものを選択する)
4)洗浄ムラがある場合は、ゆっくり洗浄物を揺らしながら洗浄する
5)よごれがひどい場合は、コップに洗剤を入れた間接洗浄で
プレ洗浄を行う (超音波洗浄の基本は精密洗浄です)
6)材質や形状により、洗浄物を洗浄液にすべて入れないほうが強力な洗浄
を行うことが出来る場合がある
7)どうしても取れない場合は、
液温を40-60℃にして
超音波のON/OFFを操作しながら洗浄する
( 場合によっては、ステンレスの「穴明きお玉(キッチン用具)」にのせて洗浄する )
8)きれいに洗浄する場合には、乾燥が洗浄以上に重要です
( 乾燥は別途機会に掲載します )
超音波の寿命を短くする原因は、熱応力による現象です
上記の操作においても、液温を急激に変更すると大きなダメージを発生させます
水槽の温度と液の温度がなるべく同様に変化するようにしてください
超音波洗浄により40℃の状態から、洗浄液の交換により18℃の洗浄液に切り替えた場合、
超音波の取り付け面や超音波により大きく振動する面が熱応力によるダメージを起こします
また、液循環のない状態で使用し続けると不均一な状態が続くため同様なダメージの発生につながります
補足1:
洗剤(界面活性剤)は超音波(OHラジカル反応)により分解され少なくなります
(場合によっては「OHラジカル反応」で洗浄が行われている場合もあります)
言葉による説明は難しいのですが、適切に洗剤の濃度管理を行う必要があります
一般的には、洗浄液が汚れたら新しい洗浄液を作成し交換するのですが、
難しい場合には適度に洗剤を追加しながら使用してください
補足2:
プラモデルのパーツ洗浄(離形剤や指紋の除去)を行う場合には、
そのままで使用すると、洗浄ムラの大きな状態になりますので
均一な音圧分布の状態で洗浄が行えるように、洗剤の濃度管理と
間接容器によるリンス洗浄を推奨します
除去した離形剤が超音波により、乳化して再付着する場合があります
洗浄液は新しいものを頻繁に取り替えると、大手メーカの先端洗浄レベルと
同様な処理(樹脂レンズの表面改質によるコーティング作業の前処理)が行えます
注:但し細かい複雑な形状の部品に対しては適切なメガネの洗浄器はないように思います
樹脂を対象にするため弱い均一な超音波が必要なので、制御と各種設定を部品に
対して適切に行う必要があります
( 実際に樹脂に対する超音波の効果は大変大きいので具体的に知りたい人は問い合わせてください)
補足3:
コップやビーカーを利用した間接洗浄の場合は、ガラスによるレンズ効果により、
非常に強い焦点部分が発生します
対策として、必ずコップやビーカーをゆらす、
あるいは洗浄物を遥動させるようにしてください
(
金属棒にアルミ箔を巻いて確認すると良くわかるとおもいます
アルミ箔が10秒以内に穴だらけになる状態が、「メガネの洗浄器」の標準的なレベルです
適切に設定すると、アルミ箔全体が粉々になります(全体が均一に洗浄できる)
液量が少ないので状態の管理が難しいのですが、新しい液の使用頻度で対応すると
高価な洗浄器よりも目的とする音圧の安定した超音波洗浄制御が可能です
結果として洗浄環境と乾燥を適切に行うとレベルの高い(分子レベル)洗浄が可能です
今後、超音波の周波数の高い 「メガネの洗浄器」(現状は存在しません)との組み合わせにより
必要な表面処理が行えるようになると、各種製造メーカの洗浄・改質レベルが実現します
安価な高周波の「メガネ洗浄器」がない理由は次の通りだと思います
1:製造コストが高い
2:洗浄力が小さい(使用方法が難しい)
3:間違えて手を入れると人体に重大な影響が出る場合がある
1,2,3は単純に言うことが出来る事項ではありません
(正しい場合も間違えた解釈のばあいもあります)
つまり超音波の利用は複雑な出来事なので適正に行う必要があるということです
適正に行う(制御する)と、10-100倍の効率や音圧が実現できます
)