マンデルブロ集合,ジュリア集合,アトラクタの流域
超音波洗浄のような複雑で混沌とした世界が、
「カオス‐フラクタル理論」で見えてくることがありますので
「カオス‐フラクタル理論」の代表的な集合を参考に提示します
<< マンデルブロ集合の説明 >>
複素力学系を作るための複素関数f(z)が適当なパラメータを持つとする.(パラメータは1個だけとする)
f(z)=z2+c
のような複素関数を考える.パラメータ
c=a+bi
はa,bを実数とする複素定数である.
具体的な複素数列の作り方は次の通りである.まず初期値をz0=0とする.すると
z1=f(z0)=02+c=c
となる.さらに次のz2は
z2=f(z1)=c2+c
となる.このようにしてz3,z4,z5,……を順に求めていく.
このf(z)は比較的単純な2次関数であるが,それによる複素力学系の挙動は決して単純ではない.
パラメータcの変化につれて,収束,周期振動,カオス,発散などの挙動を示すことが知られている.
このとき複素数列{zn}が発散しないようなパラメータcの集合を マンデルブロ集合という.
1.f(z)=z2+c
<< ジュリア集合の説明 >>
f(z)=z2+c
においても,パラメータcの値を固定して初期値z0を変化させると,
複素数列の挙動は収束または一定周期の振動,カオス,発散という3つの場合に分かれることが知られている.
このとき発散しない,つまり収束,周期振動,カオスのいずれかに行き着く初期値の集合を ジュリア集合という.
<< アトラクタの流域の説明 >>
アトラクタは初期状態(初期値)に依存しない系の終極状態である.しかし,このことはあらゆる初期状態がつねに同一のアトラクタに行き着くということを意味するわけではない.初期状態によっては別なアトラクタに吸引されることもあるし,いかなるアトラクタにも近づかず,発散してしまうこともある.通常,あるアトラクタに吸引される初期状態はアトラクタ自身を含むその周辺に分布する. 位相空間(平面)におけるこの領域を アトラクタの流域 (引力圏)という.
2.f(z)=cz(1-zk) k=0,±1,±2,……
3.f(z)=czk/(1+z2) k=0,1,2,……
4.f(z)=zk(z-c)/(1-c~z) k=0,1,2,……,c~はcの共役複素数