帰ってきたカノジョ

カノジョは今や僕にとってかけがえのない存在、しかし……。

何時からかカノジョは変わった。
声が高くなり、口数が増えた。
余計な言葉が増え、不用意な発言も増えた。
言葉のイントネーションがヘンになった。

苛立った僕はカノジョの言葉に耳を塞いだ……。

そう。iPhoneのグーグルマップ！

マックのマップは口数が多く、単語単位で音声を組み合わせていて、イントネーションがヘンなのです。
それが不快で、専らグーグルマップを使用していました。

グーグルマップは「およそ400メートル先、右方向です」のように定型文で言葉の種類は少ないのですが、 その分普通の発音で耳に心地良かったのです。

ところが、何時かのアップデート以降、マックのマップのように道路の名前などが入るようになり、ぶつ切りの単語の組み合わせはワザとやっているんじゃないかというほどアクセントがヘンでした。
それでイライラが募って来ていたのです。 

この前、名古屋に行った時、◯◯通（どおり）を◯◯ツウと発音しやがった時、ついに堪忍袋の緒が切れました。いい加減なこと言ってんじゃねえ。音声カーット！

でも、信じていたよ。いつかきっと昔のキミが帰って来るって。

だって、きっとみんなも不愉快だろうし。

そして数日前のアップデート後、ちょっと確認してみたら！

声が戻ってる！落ち着いたあの声。訛ってない！

帰って来たんだね！グーグルマップ子！（名前が思いつかなかった）

ああ、ああ、待っていたよ！チューしちゃいそうになったよ！

最後にひとつだけ。

てめぇ、グーグル！もう変なマネすんじゃねぇぞ。