吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

鯰の背に居る愚か者

2011年06月18日 | 思うこと

画をクリックすると別ウインドウで拡大

この図は天保大雑書という本に載っているものです。
骨董屋でタダ同然で手に入れた本です。復刻版ではなく当時モノです。
さる大名の持ち物だったようで、署名が入っています。
占い、まじない、暦など満載の素敵な本です。

日本がナマズの上に乗っているという発想はプレートテクトニクスを先取りしたものと
言えるかも知れません。

何だか、東日本の大地震をすでに過去ものとしている人が多いような気がします。
津波被害の復興、原発事故もまだまだ先が見えない状態なのに。
まだ地震そのものだって無いわけではありません。
数か月、数年、数十年というせっかちで近視眼的な現代日本人には把握困難と思え
る時間軸で確実にそれは来るのです。
現代科学による地震予想も、数十年のスパンで何パーセントという確率で、結局のと
ころ地底鯰時代と大差ないのです。

天保の少し後、安政の大地震(1855年)の頃には鯰絵という錦絵が出回っています。
Wikipedia鯰絵
地震を治めるまじないから、震災で苦しむ人々、逆に復興景気で儲ける人々を描い
たものなど実に興味深いものです。

21世紀の今にも、鯰絵は描かれるのでしょうか?
子子孫孫の代まで尾を引く核の人災は描かれるのでしょうか?
天保(1830~1843)の終わりから今まで168年……、168年後の未来人は今の僕らを
どう見るのでしょうか?
愚か者だと笑ってくれれば良いのですが、莫大な負の遺産を残した者として恨みと憎
しみに満ちた目で見るかも知れません。
_________________________________________________________

23日には智恵の仏の名を持つ最低最悪の原子炉で、炉内落下物(3.3トン)の引き上
げ作業が行われる予定だそうです。
これで25回目のトライだそうです。
是非とも成功して欲しいものです。この落下物を引き上げないことには制御も廃炉も
出来ないからです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿