先日壊した軽トラは三菱のミニキャブというクルマなのですが、この車種は僕にとって3台目なのです。
それらすべてが廃車になっています、悪いクルマじゃないんですけどね。
これもまた相性というのでしょうか? いずれも、特別な思い出があります。
今回はその第1号の話。
ミニキャブ1号(諡=おくり名です、だってその時は次があるなんて思わないですから)は、550ccのスーパーチャージャー付のバンです。
グレード、値段ともにウチにしては高かったですね。
当時、軽メーカー各社はスーパーチャージャーを付けたモデルを出していましたが、スバル以外すぐにやめてしまいました。
その歴史のあだ花のようなモデルのひとつです。
さて、その日は家内とふたりで修復したストリートオルガンを納品するために、埼玉から福井に向けて高速道路を走っていたのです。
当時まだ子供はいなかったのでふたり一緒に出かけられたのです。
関越自動車道を北上中、エンジンまわりから異音がしたのです、歯車の噛み合わせから出る音のようでした。
速度を落として走行したまま、家内と会議です、最寄りのインターで下りてレンタカーに乗り換えるという案が家内から出たのですが、あてもなく、出費もかさむし異音も小さくなってきたので、抑えて走ろうということに僕が決めたのです。
当時まだ、家内の勘に対しての信頼が確立していなかったのです。
関越から北陸道に入り、日が暮れて数時間後、それは起こりました。
対面交通のトンネルの中で、急に異音が高まって来たのです。
ガリガリガリ、キー。
最後のキーはベルトのスリップ音です。
たにだちクラッチを切り、ギアを抜きます。エンジンが止まります。
そして、イヤな汗がじと~っとして来るのを感じながら、とにかく対面交通のトンネルから出られることを祈るしかありません。
なんと幸運にもトンネルから出られた上に、そこにサービスエリアが!
サービスエリアに滑り込み、ガソリンスタンドを目指したのですが、そこまでは勢いが続かずクルマは止まりました。
「はぁぁぁぁ~」
ほっとするとともに、全身の力が抜け、変な汗がさらにどっと出た感じです、その他諸々も出そうになったのですが、それはなんとか免れました。
ここに至って、隣で眠っていた家内が起きました。
「どうしたの?こんな半端な場所で止まって」
そりゃあ、パーキングスペースには入れませんでしたけどね。対面交通のトンネル内でエンジンが止まったのに、サービスエリアに入れただけでももうけモンでしょ。
「スーパーチャージャーが壊れた、エンジンが動かない…」
「ああ、やっぱり、で、どうすんの?」
幸い、工具、道具類は普段より多く積んでいたので、なんとか応急処置をすることにしました。
すでに夜11時を回り、近くに街もなさそうでした。
クルマをガソリンスタンドの脇まで押して行き、スタンドの人から、電池式の蛍光灯を借り、作業開始です。
大抵こういう時には雨が降って来ることになっています、そんなもんです。
軽自動車のワンボックスカーというのは、とにかく狭い所にエンジンを押し込めてあって、実に手を入れにくいのです。
小さな蛍光灯の明かりは影ばかりが目立ち、無いよりはマシ程度なので、ほとんど手探りで作業を進めます。
能率の上がらないこと甚だしいので、夜通し作業を覚悟した僕は、家内に眠るように指示しました。
作業は僕しか出来ないので、相方は休養するというのが、この場合正しいのです。
そして、その後、僕が疲れて運転に支障が出る時に、そのカバーが出来るように自分のコンディションを整えなければなりません。
よって、休養は権利ではなく義務なのです。
緊急時に、感情を入れず、冷静に合理的にそれぞれが出来る職分を全うすることだけに集中するという、なんかプロっぽいチームワークのはじめてのケースだったかも知れません。
「よし、わかった!任せておけ!」
と言い放つと家内は梱包用毛布にくるまって寝に入りました。
こういう時に、気を使って起きていようとしたり、世話を焼こうとする女性はかわいいが、チームメイトあるいはパートナーとしては不適格です。
ま、それにしても素早い寝付きでしたけどね。
苦闘5時間、なんとか走行可能になりました。
笑ってしまう程、加速力は低下しましたが、最高速に大差はなく、僕らは無事、福井に着き、そして埼玉に帰ることが出来たのです。
帰ったあと、部品屋に問い合わせたところ、すでにスーパーチャージャーは生産していなくて、部品だけで納期なしの13万6千円といわれて、すっかり直す気を無くした僕は、その後7ヶ月、車検が切れるまで乗って廃車したのでした。
それらすべてが廃車になっています、悪いクルマじゃないんですけどね。
これもまた相性というのでしょうか? いずれも、特別な思い出があります。
今回はその第1号の話。
ミニキャブ1号(諡=おくり名です、だってその時は次があるなんて思わないですから)は、550ccのスーパーチャージャー付のバンです。
グレード、値段ともにウチにしては高かったですね。
当時、軽メーカー各社はスーパーチャージャーを付けたモデルを出していましたが、スバル以外すぐにやめてしまいました。
その歴史のあだ花のようなモデルのひとつです。
さて、その日は家内とふたりで修復したストリートオルガンを納品するために、埼玉から福井に向けて高速道路を走っていたのです。
当時まだ子供はいなかったのでふたり一緒に出かけられたのです。
関越自動車道を北上中、エンジンまわりから異音がしたのです、歯車の噛み合わせから出る音のようでした。
速度を落として走行したまま、家内と会議です、最寄りのインターで下りてレンタカーに乗り換えるという案が家内から出たのですが、あてもなく、出費もかさむし異音も小さくなってきたので、抑えて走ろうということに僕が決めたのです。
当時まだ、家内の勘に対しての信頼が確立していなかったのです。
関越から北陸道に入り、日が暮れて数時間後、それは起こりました。
対面交通のトンネルの中で、急に異音が高まって来たのです。
ガリガリガリ、キー。
最後のキーはベルトのスリップ音です。
たにだちクラッチを切り、ギアを抜きます。エンジンが止まります。
そして、イヤな汗がじと~っとして来るのを感じながら、とにかく対面交通のトンネルから出られることを祈るしかありません。
なんと幸運にもトンネルから出られた上に、そこにサービスエリアが!
サービスエリアに滑り込み、ガソリンスタンドを目指したのですが、そこまでは勢いが続かずクルマは止まりました。
「はぁぁぁぁ~」
ほっとするとともに、全身の力が抜け、変な汗がさらにどっと出た感じです、その他諸々も出そうになったのですが、それはなんとか免れました。
ここに至って、隣で眠っていた家内が起きました。
「どうしたの?こんな半端な場所で止まって」
そりゃあ、パーキングスペースには入れませんでしたけどね。対面交通のトンネル内でエンジンが止まったのに、サービスエリアに入れただけでももうけモンでしょ。
「スーパーチャージャーが壊れた、エンジンが動かない…」
「ああ、やっぱり、で、どうすんの?」
幸い、工具、道具類は普段より多く積んでいたので、なんとか応急処置をすることにしました。
すでに夜11時を回り、近くに街もなさそうでした。
クルマをガソリンスタンドの脇まで押して行き、スタンドの人から、電池式の蛍光灯を借り、作業開始です。
大抵こういう時には雨が降って来ることになっています、そんなもんです。
軽自動車のワンボックスカーというのは、とにかく狭い所にエンジンを押し込めてあって、実に手を入れにくいのです。
小さな蛍光灯の明かりは影ばかりが目立ち、無いよりはマシ程度なので、ほとんど手探りで作業を進めます。
能率の上がらないこと甚だしいので、夜通し作業を覚悟した僕は、家内に眠るように指示しました。
作業は僕しか出来ないので、相方は休養するというのが、この場合正しいのです。
そして、その後、僕が疲れて運転に支障が出る時に、そのカバーが出来るように自分のコンディションを整えなければなりません。
よって、休養は権利ではなく義務なのです。
緊急時に、感情を入れず、冷静に合理的にそれぞれが出来る職分を全うすることだけに集中するという、なんかプロっぽいチームワークのはじめてのケースだったかも知れません。
「よし、わかった!任せておけ!」
と言い放つと家内は梱包用毛布にくるまって寝に入りました。
こういう時に、気を使って起きていようとしたり、世話を焼こうとする女性はかわいいが、チームメイトあるいはパートナーとしては不適格です。
ま、それにしても素早い寝付きでしたけどね。
苦闘5時間、なんとか走行可能になりました。
笑ってしまう程、加速力は低下しましたが、最高速に大差はなく、僕らは無事、福井に着き、そして埼玉に帰ることが出来たのです。
帰ったあと、部品屋に問い合わせたところ、すでにスーパーチャージャーは生産していなくて、部品だけで納期なしの13万6千円といわれて、すっかり直す気を無くした僕は、その後7ヶ月、車検が切れるまで乗って廃車したのでした。
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