○五体俳句677・前頭葉1・安田中彦01・2024-12-03(火)
○「これは吾の前頭葉かブロッコリ」(『人類』2017)(安田中彦01)
○季語(ブロッコリ・三冬)(「→カロ冬扇へようこそ」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:五体の「前頭葉」は初出。臓器の内で→脳関係は「脳」6句、「大脳」1句、「脳幹」1句、「脳天」1句を数える。
○安田中彦(やすだなかひこ)
○好きな一句「マフラーを青の時代のやうに巻く」(『人類』2017)02
○季語(マフラー・三冬)(引用同上)
【Profile】:1956年北海道出身札幌市在住。「香天」(2009年→岡田耕治創刊代表)同人。
○五感俳句677・嗅覚125・遠藤はつ01・2024-12-02(月)
○「柊の花の香の濃き籬あり」(遠藤はつ01)
○季語(柊の花・初冬)(「俳句小歳時記(水原秋櫻子編)」より引用)【→五感俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:嗅覚が一番記憶に残るといわれるだけあって五感の嗅覚は125句を数える。その籬(まがき)の中に柊(ひいらぎ)の花が匂う。金木犀のような華やかな香りである。
○遠藤はつ(えんどうはつ)(1886-1983)
○好きな一句「遊ばせて置く手淋しく炭をつぐ」(『初明り』1975)02
○季語(炭をつぐ・三冬)(「→句集「初明り」(遠藤はつ)」より引用)
【Profile】:東京都出身。二六新報社社員となり→幸田露伴に師事。1911年「青鞜(せいとう)」発起人のひとりとなる。1949年から→水原秋櫻子に師事、1965年「馬酔木」同人となる。1975年句集『初明り』で馬酔木賞受賞。
○挿絵俳句677a・心音の・透次691a・2024-12-01(日)
○「心音の替りの時計冬籠」(『遠景』2025)(鎌田透次691a)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(冬籠・三冬)
stay indoors for the winter
set the clock instead
of your heartbeat / Touji
【作句メモ】:夏籠は安居(あんご)の子季語であるが春籠も秋籠も季語にはない。もはや春夏秋冬に渡って冬籠(ふゆごもり)をしている。
○挿絵俳句676b・木枯や・透次690b・2024-11-30(土)
○「木枯や絵本扉のごと開けて」(『遠景』2024)(→鎌田透次690b)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(木枯・初冬)
cold wintry wind-
opening a picture book
like a door / Touji
【作句メモ】:絵本が好きだった。図書館で借りた。古本を買った。そして君は絵本の固い扉をゆっくりと開けて物語に入っていく。
○特集俳句676・食事俳句1-10夜食・小野あらた04・2024-11-29(金)
○「階段を夜食を持つてのぼる音」(→小野あらた04)
○季語(夜食・三秋)(「俳句201903」より引用)【→特集俳句-索引1・索引2・検索3・検索4・検索5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「食事俳句」最終回は「夜食」。この音を聴いているのは二階で机に向かっている人物。受験生か。持ち帰り仕事の人か。そして夜食を持って昇ってくるのはこの人物にとってどんな人なのか。今や男女はどの人物でもあり得るだろう。
○方法俳句676・オノマトペ95ばたばた1・大津希水01・2024-11-28(木)
○「手袋や退社ばたばた椅子よせて」(『自註大津希水集』1981)(大津希水01)
○季語(手袋・三冬)(「名句鑑賞辞典(角川書店2000)」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:17時か。17時15分か。すでに椅子を寄せる前に手袋をして気持ちは最早社外にある。さて、どこの酒場へ向かおうか。
○大津希水(おおつきすい)
○好きな一句「月光は夜の戸にひたと鳥総松」(『自註大津希水集』1981)02
○季語(鳥総松・新年)(引用同上)
【Profile】:1925年長崎県出身。→中村汀女主宰の俳誌「風花」同人。
○五体俳句676・むらぎも1(動物)・川又憲次郎01・2024-11-26(火)
○「鯨解体むらぎも流れ出でて湯気」(川又憲次郎01)
○季語(鯨・三冬)(「俳句201611」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:五体の「むらびも」は初出。「むらぎも」とは「内臓」のこと。鯨の体温そのままの湯気の立つむらぎもが流れ出る。
○川又憲次郎(かわまたけんじろう)
○好きな一句「豆本を繰るピンセット新樹光」02
○季語(新樹光・初夏)(「俳句201411」より引用)
【Profile】:1963年茨城県水戸市出身。東京都在住。「澤」同人。
○挿絵俳句676a・いよいよね・透次690a・2024-11-25(月)
○「二人分の涙の重さ冬の梨」(『遠景』2024)(→鎌田透次690a)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(冬の梨・三冬)
a winter pear-
the weight of
your and my tears / Touji
【作句メモ】:晩三吉(おくさんきち)という品種の冬の梨。瑞瑞しい冬梨の重さ。そのみずみずしさは二人分の涙の重さ。
○次元俳句676・端&先端16(空間)・涌羅由美01・2024-11-24(日)
○「靴の先より冬の夜の迫り来る」(『音色』2021)(涌羅由美01)
○季語(冬の夜・三冬)(「→ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko」より引用)【→次元俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5・忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:冬の夜に最も目覚めているのは靴の先 冬の夜に最も鋭利なものは靴の先 冬の夜は靴の先で考える
○涌羅由美(ゆらゆみ)
○好きな一句「草笛の風の音色となつてをり」(『音色』2021)02
○季語(草笛・三夏)(引用同上)
【Profile】:1964年兵庫県出身神戸市在住。1993年に「ホトトギス」への投句をはじめ、2000年ホトトギスの「野分会」に入会。→稲畑汀子、→稲畑廣太郎の指導をうける。2004年日本伝統俳句協会新人賞受賞。「ホトトギス」同人。2015年「円虹」に投句。