『覇道進撃』の23巻を読みおわった。
キッシンジャーは「石油欲しさのためにアラブ諸国を支持するのはやめてほしい」と要請。しかし独自の資源外交を展開していた田中はこれを拒否した。
「11月22日。角栄の言葉は現実のものとなる。閣議で石油危機を打開するため中東政策を転換することを了承したのだ。武力による領土の獲得や占領を許さないこと、1967年戦争の全占領地からイスラエルが兵力を撤退させることなどを官房長官、二階堂進の談話としてアラブ支持を明確に発表したのだった。」
「12月10日、今度は副総理の三木武夫を中東八カ国に差し向けた。いわゆる「油乞い外交」。経済協力という切り札も切ったが、何よりも「国際紛争の武力による解決を容認しないというのが日本外交の基本的態度」という姿勢が中東諸国の共感を呼んだ。」
「核兵器の使用を示唆しつつ停戦交渉」、「資源を武器とした戦略」といったものも第四次中東戦争のころからなんじゃないだろうか。
「10月17日。石油輸出国機構(OPEC)加盟のサウジアラビア、イランなどペルシャ湾岸6カ国が原油の「公示価格」を21%引き上げることを決める。ウィーンでメジャー(国際石油資本)と引き上げ交渉に臨んでいたが中東戦争を背景に値上げを強行したのだった。」
「危機は石油の価格だけにとどまらなかった。「中東戦争に石油を武器に」と唱えるアラブ石油輸出国機構(OAPEC)がその閣僚会議で、イスラエル支援国に対する制裁を打ち出したのだ。親アラブの「友好国」にはこれまで通り石油を供給するが、イスラエル支援する「反アラブ」、またはその中間でも「非友好国」と判断し石油の供給を絞り込む措置を決めたのだった。」
「日本はパニックといっていい状況に陥っていた。銀座のネオンは消え、スーパーマーケットにはトイレットペーパーを求め長蛇の列ができた。「このままだと日本はまずい」。ヒリヒリするような角栄の緊張感が秘書官の小長啓一に伝わってきた。」
「そんな時だ。中東からの帰途、米国務長官、キッシンジャーが日本にやってくる。11月15日。午前11時から行われた角栄との会談ではまさに「息が詰まるようなギリギリのやり取り」だった」
諜報機関より「シナイ半島へ侵攻したエジプト第2軍と第3軍の切れ目は大ビター湖北岸にある」という報告をうけた参謀総長エラザールはただちに逆渡河作戦を立案、10月15日、シャロン少将ひきいる第143装甲師団を現地へむかわせた。作戦名は「豪胆なるものたち」。
参考のため、BGGよりデビッド・レント氏のプレースルー動画を見てみよう。
セットアップ時の状況。
第1ターン、イスラエル軍移動フェイズ。東部の2個ユニットは撤退せずに地形を利用して防御。戦闘は5か所でおこなわれる。
イスラエル軍戦闘フェイズ終了時の盤面。
エジプト軍移動フェイズ。渡河地点にいたる南側のルートを制圧し、2か所で戦闘をおこなう。
エジプト軍戦闘フェイズ終了時の盤面。イスラエル軍増援の進入をおさえ、1ターンでエジプト軍の勝利が確定。イスラエル軍による渡河作戦は完全な失敗におわった。