星稜の奥川投手が1回戦で17奪三振、完封の快投を演じ、江川二世と持て囃された。
その彼が今日の習志野戦で投げるというので、おっとり刀で駆けつけた。
しかし好投虚しく1ー3で敗れ去った。はっきり言って江川二世は言い過ぎだと思った。
僕は高校生・江川の怪物ぶりを目の当たりにしているからだ。
忘れもしない46年前の1973年のセンバツ2回戦、大学生の僕は友達と今日のように甲子園に駆けつけた。
江川を見るためもあったが、相手が僕の生まれ故郷の福岡・小倉南高校だったからだ。
江川は1回戦で優勝候補の強打の北陽から19奪三振、完封勝利を挙げ、日本中を熱狂させていた。
そんな江川に勝てるはずないと見た小倉南の監督は、全選手にバットを短く持たせバント攻めの作戦で臨んだ。
しかしどうだ。江川の豪速球はバットにかすりもしない。結局、小倉南はバントヒット1本で10三振を奪われ0ー8で完敗した。
見てた僕らは、「江川の球、速すぎて消えてない?」などと驚きの声を上げた。
試合後、僕は歩いてバスに戻る江川の背中を叩き「頑張れよ!」と言った。江川は嫌そうな顔をした…。これはその後、いろんな友達に自慢した話。だから本当にあった話かどうか自分でもよく分からなくなっている。多分、妄想だろうな。
そんなことを思い出した今日の甲子園観戦。
奥川くん、君にはまだ夏がある。先輩の松井秀喜のようにゴジラになって?また甲子園にもどっておいで。待ってるぞ!