人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

証人として忘れない

2025年02月04日 | 徒然
 起き抜けに外が明るいなと思ってカーテンを開けたら予報通り路上は真っ白。
 あぁやっぱり昨日の内にあれこれチャリで走ってやっておくべきだったと後悔しても始まらない。

 超大型といわれるスギ花粉もドタキャン状態。
 赤切れでバレーボール選手のように絆創膏だらけだった指先に逆戻りしそうだ。

 <企画展パンフレット>
 日曜日に実録フィルム映画『ワルシャワ蜂起』(無料)を市の施設ムゼウムで観た。
 戦争の実態を1時間半見続けるのは修行だった。

 武装ドイツ兵の前を歩く群衆の列に「どこへ連れていくんだ?」「あの中に母さんはいないよな?」「居るわけないだろう!」と、隠し撮りしている兄弟の不安の囁(ささや)きが重なる。

 1944年8月1日午後5時「ドイツなんか三日でたたき出してやる」と明るく蜂起した美しい街ワルシャワの市民部隊は、63日間も闘い、ついに生き残った数百人が廃墟の街を捨てて逃走する。
 最後は水もない飢餓との闘いだった。

 エンディングに流れる無言のフィルムに、あの群衆の無残な死体が映し出され、その群衆が一つではなく沢山あった事、生きたまま埋められ焼かれたた人々が沢山いた事が
ぼかし修正無しで繰り返し映る。
 席を立ちたくても何かが「証人として最後まで観よ」と肩を抑えつける。

 撮影した兄弟のうち兄は隠し撮りを発見され逃げ遅れて殺される。
 「兄さん!!」という絶叫がこだまし、戦争の実態はショッキングに脳裏に刻まれた。

 ワルシャワが復興するのは、複雑な大国間の政治に阻まれ長い年月を経た後だった。

 無残にも勇敢にも、最後まで誇り高く戦争の犠牲になった人々を忘れないために、毎年8月1日午後5時、1分間の静寂が都市全体を覆う。

 ムゼウムの外に出て直ぐ「敦賀も戦禍で焼け野原になった」と思った。
 上映中も世界中の戦争ニュースが重なった。

 だから忘れてはいけない、彼らを支え続けたのが細やかな日常の喜び・・・美味しい、懐かしい、好い匂い、暖かい、綺麗であったことを。
 
 油断するな、夜眠っている間に世界は大きく動いている。
 だから忘れるな、今この瞬間の輝きを。
 
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