人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

原始の力

2024年12月24日 | 舞台
 鼓童公演『山踏(やまふみ)』を京都で観た。
 世代交代が完了した今年の鼓童は力強くサービス精神も旺盛になっていた。

 最初の演目終了までの10分間は入場お断りとのことだったが会場を間違えたと知った私は焦った。
 本当の会場は京都駅からかなり遠いらしい。
 で、慌ててタクシーに乗り「飛ばして!」と叫んだ。

 しかしその運転手が凄かった。
 信号のない脇道や後続車の前をすれすれ横入(よこはい)りして走り、開場3分前に会場まん前の交差点で下してくれたのだ。
 
 5千円近い代金だったからさすがに「お釣りは要らない」とは言えず、チップは百円(冷静な私)。
 京都芸術大学内の劇場:春秋座二階席の最前列ド真ん中の席は思った通り見晴らしの効く好い席で、3秒前に着席できた!。
 
 <この日は満月だった>

 拍手の仕方やタイミングは人それぞれ。
 余韻を聴かずに叩く「拍手の為の拍手」が多いのは、参加型のお客さんが多数になったという事か。
 舞台へ自分の感動を伝えたい想いがフライング拍手に繋がっている。

 私は余韻を楽しみたい派だが右隣りが子供(中国の若い家族連れ)だったから笑顔で我慢した次第。

 そのうちその子も静かに舞台を見守り始めた。
 笑いや拍手を織り交ぜた賑やかな観客席が、武芸の陰陽の力で静かに抑え込まれてゆく。
 
 肚(はら)に響く打音が演者の体力の極限を超えたと感じた時、懐かしい原始の記憶が波濤(はとう)のように蘇(よみがえ)る。
 その軽やかともいえる奇跡的変化を何度も体感した舞台だった。

 今日はイヴ。
 こんな日にも戦禍のやまぬ彼の地に、あの原始の響きを届けたい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 防犯コスト | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

舞台」カテゴリの最新記事