「2019年は、日本の平均気温の基準値からの偏差が+0.92℃となり、1898年の統計開始以降、2016年を上回り最も高い値となりました。」これは気象庁発表の数値です。
冒頭から歯切れの悪い表現となりました。
「2019年の日本の平均気温は1898年の統計以来最も高い〇〇℃となりました。」「1898年の平均気温より〇〇℃高くて〇〇℃となりました。」このように表現すればいいのでしょうか?
実は、冒頭に書いた基準値というのは、1981~2010年の30年間の平均値です。
一体どういうこと?
って感じでしょうが、ひとまず、日本の平均気温が上昇していることは分かります。
気象庁によると、「日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.24℃の割合で上昇しています。特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。」ということです。
日本には、「温暖化などは起きていない。」という方もいらっしゃいます。私は全く否定する気はありません。今後の気象の変化を100年単位で考えるか、500年、1000年単位で考えるか、で議論の内容が変ってくると思いますから。
さらには、地球の気候は人類の影響がなくても寒冷と温暖を繰り返してきたことも理由にあげられます。
さらには、地球の気候は人類の影響がなくても寒冷と温暖を繰り返してきたことも理由にあげられます。
この寒冷化と温暖化の繰り返しについては最近の例で理解できると思います。
現在に続く氷河期は258万年前からです。この氷河期の中でも寒冷の氷期と温暖な間氷期があります。これが繰り返します。そして直近の11,600年前から間氷期に入ってます。間氷期でもその中で小刻みに寒冷と温暖を繰り返します。
これは日本列島人が生きた縄文時代を見ればわかります。
縄文時代草創期のはじまりは(最も古く設定した説では)16,500年前で旧石器時代に続く寒い時代(氷期)だったとされています。それが、地質学的には完新世に入る11,600年前から間氷期になり徐々に温暖になります。縄文時代前期頃(約7,000年前)から縄文海進と呼ばれる海水面5m上昇が起こり、縄文文化が栄え始めます。ところが同じ間氷期なのに縄文後期から晩期(4,400年前~2,300年前頃)にかけて寒冷化が起きます。温暖化の頃増加した人口も急激に減少していきます。温暖な間氷期にも小刻みな気候変動はあります。
小刻みな気候変動と長期的な気候変動を混同してはいけないと思いますが、長期的な気候変動を予測することは非常に困難です。
ただ、自然に変化する気温とは別に、人間の活動で気温が上がっていることは確かだと思いますが、ここでも「違う」という人もいます。
私も急速な温暖化が寒冷化到来の時期を早めるのではないかと心配はしていますが、廃プラ問題や異常気象の原因だとして温暖化を食い止めようとする動きに賛同し、自分なりの努力をすべきだと考えています。一人でも多くの人が一緒に行動できればと考えます。
ところで、基準値や偏差についてすっきりしたいので、part2で理解したいと思います。