漁港の肉子ちゃんは、興行的にはよく無かったそうである。
世界で賞をとりまくるアニメ会社がまた宝石のようなアニメを制作しました
とか、コピーにつけておけば良かったのにと思うが…
(世界がというと、重い腰をあげる人がいるので)
実際に今回も「スコットランド・ラブズ・アニメーション」という映画祭で
最高賞を受賞している。他にも国内で賞をとったらしい。
これからもこの作品で賞をとるのかもしれない。
監督はドラえもんの感動作他を作ったベテランの渡辺歩
原作はベストラー作家西加奈子
脚本は、凪のお暇等を書いた大島里美
作画監督はスタジオジブリ一期生小西賢
美術監督は鉄筋コンクリート等の木村真二
なので、駄作になるわけが無いのである。
これを見た人で、或るこだわりを隠せない人以外には好評である。
(こだわりが何なのか、観れば分かります)
声優陣。豪華です。キムタクさんの娘さんがオーディションなのに
なったという事で、穿った見方をする人間達に非難されたが、結局
平凡なようで繊細な声のCocomiさん起用は合っていた。
主人公は母親と船に住んでいる。
場所設定のイメージは宮城県、震災前の漁港らしい。
肉子ちゃんは朗らかだ。
「食べて寝ておならして…の毎日が良いんだよ。」
と言い、娘から顰蹙を買う。
*実は私は苦手なタイプなのですが、ドラえもんがおばさんになった
と思えば良いです…トトロ的でもありますが…
娘キクりんは学校で女子同志のこまかい争いに巻き込まれている。しかし
いじめっこグループと出かけたり、いじめられっこを気になったりする。
いじめられっこマリアとは友達だった事もあるのだ。
もうひとり気になる同級生がいる。
暗くて、口数の少ない二宮。
しかも彼はひとりの時に急に口をとがらせたり、変顔が止まらないのである。
ある日二宮がいじめられっこまりあの事をキクりんの前で
「かわいい」
と言うとキクりんはマリアの悪口を言い出す。
大きな理由は、二宮が褒めたからであろう。
そういうよくあるような態度をキクりんは学校でするのだが
一方複雑な身の上だった。
何故キクりんこと、「喜久子」という名前になったのか
観終わって想像出来る。
肉子ちゃんは過去に水商売もしていて、男にもだらしなかったりするのだが
この世界観の視点で観ればすべてが愛おしい日常に見えてくる。
性の部分も、そうだよねという気にさせてくれる。
肉子は大人になるまで喜久子を食事の面で飢えさせることなく、
愛情も、あふれるほど与えた。
そんな幸せな日常の映画である。
↓文化庁芸術祭受賞おめでとうございます。
*舞台が宮城県というのは、西加奈子さんの旅した時のイメージであって、
この映画の美術監督の意見を確かめてみたら「具体的にここだというモデルは無い」という事でした。
訂正致します🙇♀️
あと、Cocomiさんについての事は、誤解やデマがあるようですね。
オーディションの事も外部の人の勘違いや当て推量のようでした。
私も惑わされていました。申し訳ありません🙇♀️…