今日はうちに通っている、あるいは通っていたがん患者さんの月一の集まりの会が奥沢の古民家みかもであった。月一回のペースで続けてきている。
7名の参加だったが今日は手術後の方が二人いたのでお二人のお話を中心に伺う。始めに胃がんの手術をされたPさんのお話。術後のドレーンの痛みとかなかなか食事量が回復しないことや、術後の抗がん剤はしない方針だったがやはり受けることにしたまでの心の葛藤などの話を聞いて、他の方達がうんうん、そうそう、と共感しながら聞いている。
その様子を見ていて僕は我が身を振り返り反省をする。たしかに僕はがんの治療をする立場の者でこれまでたくさんの患者さんと症状を見てきたけれども、あの場でPさんの話を聞いていた他の患者さんたちのほうがはるかに我が身のこととして話を聞いている。
僕は判断やアドバイスをどうするかという視点で聞いているけれども、患者さんたちは想いを重ねる、共感する視点で聞いている。僕が男性で患者さんたちはほとんど女性だから、と言ってしまうと性差別的な発言と捉えられてしまうのかもしれない。しかし心の奥底で癒されるというかホッとするのは共感してもらえることの方だろう。その病を実際に体験していない者がその病と向き合っている人を心の面も含めて治療というか癒すのは難しいなと今更ながら思った瞬間だった。
会の後、皆で食事をし、続いて午後に治療の予約を入れていたPさんがビワの葉温灸を終わった後、帰りがけに「あの場でいろんな悩みや思いを聞いてもらえるからあの会に出るとホッとする」と言ってくださるのが嬉しい。
今日、その会で知り得たことがあと1点。抗がん剤について。
足のむくみがひどくてリンパ管と静脈を吻合する手術を受けたQさんのお話。なんでも手術執刀医が言っていたことでは「特にタキサン系の抗がん剤ではその後遺症のためかリンパ管が仮死状態になっていることが多いようだ」とのこと。もちろんこれは学会に報告されていることではありません。
リンパ管が仮死状態というのは完全には詰まっていないが閉塞したりしてリンパ管として働いていないということだろう。リンパ管が働いていなければ細胞から出た老廃物を脈管系から排出することが困難になる。それは解毒ができないということだ。
「がん治療の根幹は解毒である」ことをエドガーケイシー療法では言っているし、他の療法でも排毒の大切さは指摘されている。抗がん剤は様々な副作用があることから使用をためらわれるものだがそれでも可能性があるからと使用されている。しかし抗がん剤によりリンパ管が仮死状態になることが事実でそれが全身的な状態として引き起こされているのであれば、やはりこれは避けたほうがいいと考えざるを得ないのではないか。