マスクvs塩 紀勢家の紀勢さん

僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。

先日、数年ぶりに紀勢さんの兄が茅場町の実家に帰ってきたそうな。
紀勢さんの兄の住まいは、中野であり結構近くなのだが、なんでも父親と不仲で、盆も正月もめったに帰ってこないそうな。
紀勢さんの兄はずいぶんかしこかったそうで、東大文３卒業だそうな。現在予備校や大学の講師をしているそうな。
紀勢さんとは、ひとまわり程年がはなれており、兄は妹をよく可愛がり、兄妹仲はよいそうな。


しかし、帰ってくるなり、いつものように親子喧嘩が始まり、結局、兄は敷居をまたぐことなく中野に帰っていったそうな。

原因はこうだ。
兄はマスクを付けていた。父が風邪でもひいているのか？と問うたところ、兄は、放射能汚染が東京まで広がっており、危険だ、という旨の話をデータや事実を織り交ぜ説明し、父親にもマスクの着用を勧めた。それが父の逆鱗に触れた。
「女子供ならともかく大の男がマスクとは、、そんな無粋な男が紀勢家の子たあ、世間様にしめしがつかねえ、とっとと帰りやがれ、マスクなんか付ける暇があんなら、塩でもまいとけ」
と、おもむろに伯方の塩(1kg)パックを台所から持ってきて、兄に手渡し、おんだしたそうな。
兄は何も言わず、伯方の塩(1kg)パックを地面に叩きつけ、踵を返し、立ち去った。
父は3/11以降、癇癪持ちになったそうな。

紀勢さん伯方の塩(1kg)パックを抱え、兄を追いかけた。

うつむき、歩く兄。彼のトートバッグには、立派な早生の西瓜が入っていた。

先週は父の古希であった。
父の好物は西瓜であった。

高速道路沿いの殺風景な神田川の川縁、紀勢さんは、兄に伯方の塩(1kg)パックを手渡した。

兄は何も言わず受け取り、しばらく間が空き、マスクを外し、「神田川 西瓜甘いかしょっぱいか」とぽつり詠じ、
「またな」と言い残し、神田駅の方へ去って行った。そうな。

僕はその話を聞いてちょっとしょんぼりしてしまったが、
紀勢さんは、「はっかったのしお」と口ずさんでは、ビールをぐびっと飲み、結構サッパリしたもんだった。




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●07月17日 日曜日(祝前日)
Wild Think presents 「Yellow Atlantic」
場所：下北沢 440
開演：12:00(昼) / 終演：15:00
お代：1800円(ドリンク別)
チラシ持参で1500円

出演 :
●オルスタ デ ワイルド シンク
●ハリガリアンブル

DJ:
松本卓也(ロソララ/タムタム楽団)
デルクモ(ワイルドシンク)

陽光降り注ぐ下北沢のカフェ「440」にて日曜のお昼をトロピカルに彩ります。
真夏の東京を擬似カリブに誘いますぜ。
みなさま是非お越しをば。


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