月 餅 2008-09-11 | Weblog 旧暦の8月15日は秋のちょうど真ん中にあたるために、 中秋 もしくは 仲秋 と呼ばれる。農耕民族であった古代中国人たちは、秋の収穫を神様に感謝する意味と収穫の喜びをこめて、美しい月を拝む習慣がかなり以前からあった。時代を経て、この風習は 宗教的 な意味合いから 月を鑑賞 するというイベントに変化した。満月の祭りは、9~10世紀頃に始まったと言われ、日本に伝わったのは850年と記録がある。 月餅 は、 縁起 のよい食べ物の 象徴 といわれ、 家族 が集まって、月を鑑賞しながら、みんなで月餅を食べるのが普通だ。旧暦の8月15日に月餅を食べるようになったのは、14世紀の前半頃と言われている。日本には、1600年頃 長崎 に伝わった。 中国で仲秋節に月餅を食べるのは、端午節に粽を食べるのと同じぐらいポピュラーなことで、中秋節には、ある有名店の月餅を買うため、予約券のダフ屋が出現する程だという。月餅の作り方は、中国各地で違いがあるが、代表的なのが 広式 と 蘇式 だ。 広東地区 を中心に発展してきた広式は、キツネ色の皮に、ぎっしりと詰った餡が特徴。伝統的な図柄が型押しされ、ラードが練り込まれた厚めの皮に、ねっとり系のアズキ餡に、月に見立てた塩漬け卵黄を入れ、ずっしりとした重量感があり、非常に高カロリー。 最近では、アイスクリームの月餅も登場している。 蘇州・蘇北地区 が発祥地といわれる蘇式は、月餅の皮はパイ生地のようにポロポロと落ちやすく、広式よりもカロリーは低い。台湾で食べられているものはこのタイプが多い。13世紀頃に、 元 を倒した 明 の皇帝の 朱元璋 が、月餅の中に密書を入れ、攻撃方法を伝えて、勝利を得たという話も広く知られている。