ぬくもり
2021-03-24 | 詩
ぬくもり
つらい時 目をつぶると見えるのは
とても若い母さんの顔
やわらかな光の中
やさしい声でうたっている
きっと 生まれたての私を
あやしているのだろう
見えるのは母さんだけ
ちいさな世界
そこに憂いはなかった
幸せだけがあった
そして 明日の希望が生まれた
くるしい時 全身に感じるのは
若々しい父さんの腕
夜の香りの中で
しっかりとだきしめている
きっと 生まれたての私を
守っているのだろう
感じるのは父さんだけ
ちいさな世界
そこに悲しみはなかった
安心だけがあった
やがて 未来の夢が生まれた
岐阜県美濃加茂市文芸祭 現代詩の部 入選
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