AVGO1062.9us$ 24/1/11木BX120.07$ MCHP84.17$

米国株BX119.62us$ AVGO1065us$ MCHP84.06(24/1/10水:現在

25/1/29水17:17だから長野が長寿県となり沖縄の男性の平均寿命が短い…和田秀樹「高齢者のヨボヨボ化を防ぐ"活動の種類"」 25/01/29 15:15

2025-01-29 17:17:36 | 米国株

だから長野が長寿県となり沖縄の男性の平均寿命が短い…和田秀樹氏「高齢者のヨボヨボ化を防ぐ"活動の種類"」

2025/01/29 15:15 PRESIDENT Online 掲載

AI時代にシニアは何をやるといいか。医師の和田秀樹さんは「AIが代替する仕事が増えることでシニアは身体的なハンデがなくなり、経験や感性を仕事で活かせる機会が増える。働き続けるほど若々しくいられるというデータもあり、雇用主側もシニアを雇いやすくなるため、お小遣い程度に仕事がしたいという人には絶好のチャンスだ」という――。※本稿は、和田秀樹氏『AIを賢く利用して 老後を図々しく生きる』(日本実業出版社)の一部を再編集したもの

「ラクをすること」への抵抗感なんて捨ててしまえ

AIの活用が進むと、人の暮らしや常識は大きく変わります。

たとえば掃除一つとっても、ロボット掃除機の登場で大きく変わりました。かつては掃除機をかけたり、ほうきで掃いたり、つまり掃除は人間が体を動かして行うことが当たり前でした。年をとって腰痛が気になっていても、「自分がやるしかない」とがんばっていた人もいるでしょう。

それが、今やソファに座ってテレビを観ている間に、ロボット掃除機が勝手に掃除をしてくれる時代です。

AIを使った商品が増えれば増えるほど、ラクできることは増えていきます。

「苦労は買ってでもしろ」なんて言われて育った世代は「ラクをすること」に抵抗があるかもしれませんが、そうした固定観念は捨ててしまったほうがよいと私は考えています。

そもそも、世の中は人間がラクをできるように進化してきました。洗濯機も炊飯ジャーも掃除機も、面倒くさい家事をラクにするために機械化されたものです。便利になることやラクをすることを否定したら、技術の進歩は止まってしまうでしょう。

ラクができて自分でやらなくてよいことが増えれば、自由に使える時間が増えます。人生の貴重な時間を自分のために使いましょう。やりたくないことを続けて暗い顔をしているよりも、好きなことをハツラツと楽しんでいるほうが、周りも元気になります。

■AIで便利になったらボケは加速するのか

「世の中が便利になると、自分で考える機会が減ってボケが加速するのではないですか?」

そんな質問を受けることがあります。一面的な見方をすれば、AIによって生活が便利になり、今より頭も体も使わなくなれば、身体が衰える可能性はあります。

ですが、生活全般が便利になれば、新しい刺激を受ける機会が格段に増えるはずです。今まで行けなかったところへ行ける、新しい生きがいが生まれる、できなかったことができるようになる。「人生を楽しめている」という喜びは、脳を活性化させます。

それこそ、自動運転の車いすで好きなところへ自由に行けるようになれば、感動的な景色を見たときに、「もっと景色を堪能するために、がんばって歩いてみようかな」なんて気になるかもしれません。

ちなみに、「自動車の免許を返納すると、6年後の要介護率が2.2倍に上がる」というデータがあります。普通に考えれば、車を運転したほうが歩く機会が減って足腰が弱ってしまうはずですが、実際には逆の結果が出ている

実際、車が必需品となっているような田舎暮らしのシニアと、車を必要としない都会暮らしのシニアでは、田舎暮らしのシニアのほうが元気に見えます。

■AIも上手く利用すれば人生に大きな価値を生み出せる

田舎暮らしのシニアは車によって行動範囲が広がり、おのずと社会参加の機会が多くなります。対して、都会暮らしのシニアは足腰が弱ると途端に外に出なくなってしまい、結果として心身ともに衰えが加速してしまうのです。

毎日、同じリズムで生活し、同じお店で買い物をして、同じ作家の本ばかり読んでいる。そんなルーティン化した生活は、脳には退屈なものです。

特に前頭葉は、ルーティンなことをしてもさほど活性化しないことがわかっています。車のようにAIを上手に活用して生活に刺激を加えれば、前頭葉の活性化につながり、ハツラツと楽しい人生を送れる

AIを使う大事なポイントは、「自分がイキイキできるか」ということです。

社会参加のきっかけになる、できなかったことができるようになる。こうしたプラス体験が増えることで「長生きも悪くないな」と思えるようになるのなら、AIはあなたの人生に大きな価値を生む

代替されづらい医師でも淘汰される可能性

よく、「AIが人間の仕事を奪うのではないか」などといわれますが、本当にそうなのでしょうか。2015年に発表された野村総合研究所とオックスフォード大学との共同研究の結果によれば、「日本の労働人口の49%がAIやロボットで代替可能になる」と試算されました。

特にAIが得意とする、「パターン化できる(決められたルールに則って行う)職業」は、急速に奪われていくでしょう。具体的には、レポートの作成やデータ入力、経理、銀行の窓口、倉庫作業などです。

一方で、身体や精神にかかわる仕事や創造力が必要とされる職業は、AIが代替するのは難しいと考えられています。具体的には医師やインストラクター、美容師やカウンセラーなどです。

だからといって医師は安泰かといえば、全然そんなことはありません。AIによる画像診断の技術は進歩しています。今までのように検査データを見て、診断して薬を出すだけの医者は淘汰される

■今後は人間の持つコミュニケーション力が問われる

AI時代に医師が求められることは、より原始的なスキルになるはずです。原始的なスキルというのは、コミュニケーションを大切にしたスキルということ。「この患者さんの体質にこの薬は合わないから、別の方法を考えよう」

「飲む薬の種類が増えてしまうから、量を少し調整しよう」

といった具合に、一人ひとりの患者さんの状況に合った判断ができることが医師の価値となるわけです。患者さんの不安を察知して、安心してもらえる説明ができるなど、まさに「人間的な診察ができるかどうか」が医師として生き残る条件になるでしょう。

日本は「少子化が問題だ」とあれやこれやと少子化対策をしていますが、私は意味がないのではないかと思っています。AIが普及すれば仕事は確実に減る

AI時代はシニアが仕事で輝ける時代

AIが代替する仕事が増える一方で、シニアにとっては働きやすい環境が増えるという意見もあります。その理由は二つあります。

①シニアの身体的なハンデがなくなる

現状、AIには難しいとされているのが「決断する、方向性を決める」といった能力です。データを集計して分析したり、「どうすればよいか」を決めたりすることは苦手なのです。

IT時代は、データの集計も人間が行わなければなりませんでした。パソコンをなかなか覚えられない上司が、ツールをサクサク使いこなす若手にバカにされる、なんてこともありましたが、AI時代はその常識が覆ります。

データ集計と分析はAIに任せればよいのですから、パソコンの使い方をなかなか覚えられなくても、ハンデはありません。

決断力やリーダーシップ、思考力の点であれば、若者よりも経験豊富なベテランのほうが頼りになることも大いにあり得ます。AIを活かして今までよりも多くの情報を集め、よりよい判断ができる可能性が高いのです。

クリエイティブな制作物に関しても同じようなことがいえます。

たとえば、広告に使うコピーを決める場合。AIであれば条件を伝えるだけで、いくつもの文章(下手をすると万単位の)を瞬時に作成してくれます。そうなると、人間にはその中からよいもの(その人にとって一番必要なもの)を選ぶ「目利きの力」や、ヒットに必要な要素をプラスするといった「感性」が重要になってくるでしょう。

一からモノをつくる、最初から最後まで自分でやらなければならないのであれば、若者と比べてシニアには記憶力や体力などのハンデがありますが、感性の勝負となればハンデはありません。

多くの経験をしてきたシニアほど、ありきたりではない独自の感性で活躍できるかも

働くシニアが多ければ元気なシニアも多い

②気軽に働いて老化を防止する

記憶力や体力面といった、シニアのハンデをAIが補助できるとなれば、雇用主側もシニアを雇いやすくなると考えられます。また、コストをかけてAIを導入するほどでもないような小規模な作業は人間がやることになります。体を動かすような仕事も残るでしょう。

こうした環境は、「年金をもらっているけど、もう少しぜいたくがしたい」とお小遣い稼ぎ程度に仕事がしたいという人には絶好のチャンスです。ちなみに、働き続けるほど若々しくいられる、ということはデータでも裏付けがあります。

都道府県のなかで平均寿命が長いことで知られる長野県ですが、かつては真逆の状態であり、平均寿命のデータは下位に位置していました。順位が上昇しはじめたのは1975年以降のことで、2010年には男女ともに都道府県ナンバーワンになりました。

厚生労働省の最新の調査(2020年)では、男性は82.68歳で第2位、女性は88.23歳で第4位です。

なぜ長野県が長寿県になったのか、さまざまな推測がなされていますが、私が考える要因は「シニアの就業率の高さ」です。これまでに長野県は高齢者就業率において、何度も全国ナンバーワンを記録

また、長野県では高齢者1人あたりの医療費が全国最低レベルだという調査結果もあり、年をとっても元気な人が多いといえます。

■沖縄県の「長寿」イメージの驚くべき事実

2017年の総務省統計局によるデータによれば、長野県の高齢者有業率は男性が41.6%で全国第1位、女性も21.6%で第1位です。少なくとも有業率が4割を超えている男性においては、就業率の高さが平均寿命の高さに影響していると考えられます。

また、沖縄県のデータからも同じような推測が成り立ちます。沖縄県は長寿県というイメージがありますが、長寿なのは女性だけで、男性の平均寿命は全国平均を下回っています。

厚生労働省の最新の調査(2020年)では、男性は全都道府県中43位の80.73歳、女性は全都道府県中16位の87.88歳でした。

なぜ同じ土地に住む男女でこれほどまでに寿命の差が生まれているのか。ここにも高齢者有業率が関係していると考えられます。沖縄県における男性の高齢者有業率は、全国で最下位なのです。

女性に関しては、専業主婦のほうが若い頃から高齢になるまで家事を一手に担っているという場合もあるために、就業率が男性ほどには影響を及ぼさないのかもしれません。

----------
和田 秀樹(わだ・ひでき)氏 精神科医
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。2022年総合ベストセラーに輝いた『80歳の壁』(幻冬舎新書)をはじめ、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『老後は要領』(幻冬舎)、『不安に負けない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)、『60歳を過ぎたらやめるが勝ち 年をとるほどに幸せになる「しなくていい」暮らし』(主婦と生活社)など著書多数

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿