第三回目です。前回同様、最後の一行から・・・・
「この人間は、こともあろうに女だった!」
彼女の身なりはフワフワと軽い淡緑色の柔らかな絹の長い着物を着ていた。柔らかくまるで彼女の肌に貼りついている様で、彼女の体はすらりとして美しく成熟していた。
見たところ彼女の肌はきめ細かく滑らかで白玉のようで、時に氷のようでさえある。
彼女の美しい顔には、化粧はまったく施されておらず、その二つのすんで明るい瞳は、どんな女達も夢見るほど美しく輝いている。
彼女の目じりにさえ陸小鳳は映らない、陸小鳳は誠心誠意を込めて見つめていた。
方玉飛は頭を揺すりながら笑って「この部屋の中には見栄えの良い女達が少なくとも七・八人居るのに、何故お前はどうあっても彼女なのか?」
「なぜかって!彼女は俺を気にも留めないんだぜ!」
「まさかすべての女がお前を見て、跪きその脚に口づけすると思っているのではるまいな?」笑いながら方玉飛は言った。
陸小鳳はため息をついて「彼女は少なくとも、俺を一目見るべきだ、俺はそんなにみっともない男ではない」
「たとえ彼女がお前を見たとしても、彼女には近寄らない方がいい」
「何故だ?」
方玉飛は低く抑えた声で「この女は氷山で、もしもお前が彼女の心を動かしたいなら、気をつけないと霜焼けになるぞ!」
陸小鳳も笑った。