回転寿司の日記

日常の身辺雑記を紹介

格差解消で逆に格差増大?

2010-12-03 14:40:06 | 生活
田中角栄が総理大臣の頃、太平洋側を表日本、日本海側を裏日本という表現がよく使われていました。
その後、裏日本である新潟にも高速道路、新幹線などが作られ、ここ上越市にも2014年に北陸新幹線が開通します。
今まで田んぼだったところにも、ジャスコなど大型商業施設ができ、見た目は格差などなくなりつつあるようです。

しかし、気づけば地方の都市は全国いたるところで街の活力が無くなっているのではないでしょうか。

昨年春に写真の「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」という本を読みました。
著者は町山智浩さんです。

印象深い章を以下そのまま、記してみます。

引用ここから

ウオールマート、激安の代償

ローカル・ビジネスを食いつぶす巨大チェーン

 先日、娘の誕生日に3000円で自転車を買った。30年前にオイラが自転車を買ってもらった時はたしか2万円はしたはずだ。
アメリカは本当にモノが安くなった。ウオールマートのおかげだといわれている。
 1962年、サム・ウォルトンが創業したウオールマートは徹底的な価格破壊戦略で全米にチェーンを広げ、現在は全米に4000店、メキシコ、イギリス、中国など海外に約1500店をもち、04年の売上2563億ドルという世界最大の企業になった。
 日用雑貨に始まり、衣料品、食料品など、自動車と不動産以外は何でも激安で売るウオールマート。これに対抗して、他の店の小売価格も下がった。対抗できない店は、潰れた。モノが安くなることはいいことだ。しかし、本当にそうだろうか。

 『ウオールマート/激安の代償』という映画がある。ウオールマートの元従業員や管理職たちへのインタビューを元に低価格の実態を暴いたドキュメンタリーだ。
17年間、ウオールマートで管理職の教育係を務めてきたウェルドン・ニコルソンはカメラに向かって言う。「新しい町に開店するとき、管理職は地元の商店街へ行って、このうちの何軒がいつまでに潰れるか、賭けをするんだ」」

近くにウオールマートがオープンした町では、代々続いてきた地元の店が客を取られていっきに潰れる。まるで爆撃のようだ。
20年ほど前から、アメリカの小さな町のダウンタウンはどこもゴーストタウンになっている。
地元の店が潰れて職を失った人々はウオールマートで働くしかない。そして低価格の理由を知る。ウオールマート側の発表した正社員の平均年収は1万9340ドル(約200万円)なのだ。アメリカ政府は4人家族で年収1万9350ドル以下を「貧困家庭」と規定しているのに!
しかも週に34時間以上働かされ、残業手当はつかない、組合はない。これじゃ売り物が安いのは当たり前だ。

 さらに困ったことに、アメリカには高い民間の健康保険しかない。そこでウオールマートは社員のための健保を始めたが、年収1万7500ドルの社員の年間保険料は2500ドル以上と高すぎる。生活保護を受けている従業員は8%。失業者ではなく、週に6日間フルで働いているのに福祉を受けないと暮らせない!彼らが政府から受ける援助の総額は年間16億ドルだ。本来はウオールマートが賃金として支払うべき分を税金が補助してることになる。

途中省略・・・

 現在、アメリカの年収格差はどんどん広がって、企業経営者と一般労働者の賃金格差は400倍に達している。田舎のほうではわずか一握りの富裕層と大量の下流家庭に分かれて、中流がいなくなっている。

引用ここまで!

まあ、この現象は日本も同じくなるだろうと思いました。さらに、高齢化社会というのが追い打ちになりますね。