建築・環境計画研究室
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おはようございます。ゼミ合宿2日目です。
誰一人起きていません
2時間弱の行程、午前中はこちら
図書館を中心とした複合文化施設「ふみの森もてぎ」さん見学。
元々この場所には創業320年の造り酒屋さんがあり,その建物の一部や景観を町の歴史・文化として残しています。
写真のように,外から見ると蔵の存在が認識されますが,建物の中に入ると空間が繋がっていて,「蔵」のようには感じられません。
「仕込み蔵」を一旦解体し,再び組み立てて作られたギャラリー。アート作品の展示等を行なっています。町にアーティストを育てることも企図しているとのこと。
(元々は一部二階建てで床があったが,その床板は取って,「質蔵」の方に使われている)
「質蔵」を引きやで移動し,改修してギャラリースペースに隣接して設置。柱がすごい。
茂木町は,町の面積の7割を森林が占める「森と木の町」。
林業の活性化の意味でも,町有林産(合併された村が,村の財産として植林し,その後3村1町の統合時に町の財産となった)の木材を使い、さまざまな構造形式で大空間をつくっています。
それも一般に流通する径の材で、準耐火地域に中規模建築を実現することにより、都市部や公共施設での木材の活用のモデルになることをコンセプトにしているそうです。
この空間体験は,木や構造への興味関心を育ててくれそうです。
図書館の運営上の特徴として,こちらでは一般的に使われる十進分類ではなく,独自の図書整理システムを採用しています。
この独自の図書整理システムによって,本と人との出会いを演出し,他の図書館とは異なる,この町ならではの「楽しい」図書館を実現したいと考えられたそうです。
例えば、子供の本のゾーンの前に子育て世代の関心事である料理や子育て、教育の本棚が配置されています。
まちづくり・都市問題と教育が配架されていることに目が向きます。
子育て世代に地域の担い手としての活躍を期待するメッセージ?
充実のラインナップです。
ロゴを立体化した書棚は,図書館エントランスに象徴的に置かれています。
高校生さんの特集棚があるなど,利用者との関係づくりを考えられているのも特徴です。
元々,茂木町には正式な図書館がなかったでそうです。
カフェ(集いと食べることを共にする場),情報発信やアートという機能を複合した図書館は,人と人,本と人,アートと人との出会いの場として,本を介した豊かさを町にもたらしています。
ふみの森でご紹介いただいて,こちらのプロジェクトの際に参考にした先行プロジェクトである「茂木町立茂木中学校」さんを見学。
町有林産の木材を使ったRC+木の混構造校舎(純木造にしたかったが,法令との兼ね合いでこの構造に落ち着いたとのこと)。
なるべく丸太のままの姿を活かす、シンプルな矩形で使い勝手の良い教室周りをコンセプトに。
平面は単純ながら空間は丸太がリズムを、丸太の柱と壁の間の空隙が陰とバッファをつくり、独特の心地よさ。
電車と路線バスを乗り継いで,宿に戻ります。ローカル線の旅,いいですねえ。
予定になかったルートですが途中途中にいいものが見られて楽しい。益子駅,構造が素敵。
2日目のゼミ,の横ではまったりタイム。
ちなみにみんなが着ているこのTシャツ,
昨年の卒業記念パーティに合わせて学生さんたちが作った特製。すごい,そしてすごい。
では また明日。おやすみなさい。
今日から二泊三日のシン・ゼミ合宿です。
*シンじゃないゼミ合宿の話はこちら
全員集合〜。
定刻通りの出発 今年は栃木方面。行ってきます。
ナンバーがぴったりじゃないですか?
1010=せんじゅう=千住 狙ってくれたに違いない。
おー、今年は大型バス 余裕があります 研究室より広いんじゃないですかこれは?(泣)
今年のゼミ合宿はこちらから。
栃木の「小俣幼児生活團」さん訪問(3年ぶり3回目)。
江戸幕末期からの古民家(元機屋敷)を利用して、太平洋戦争直後期に保育所を始めた事例。元のお屋敷の方は、建築史の先生と、歴史的建築物の福祉用途での動態保存について研究したとき、その契機になるヒントをいただいた事例なんです。
モンテッソーリ教育とアドラー心理学を取り入れた保育が特徴。
なお、こちらの園舎の歴史的価値、また歴史的建築物の動態保存のあり様は書籍『福祉転用』に詳しいです。
34回と35回の地域施設計画研究シンポジウムで論文も出しているので興味があれば論文誌「地域施設計画」をどうぞ。
新棟は、佐賀井尚先生の設計で、栃木のマロニエ建築賞もとられています。
モンテッソーリ教育の考え方に基づき,0〜1,2,3〜5の異年齢保育を実施,
3〜5の保育集団は2つに分かれ(それぞれ,保育者の名前をとった組名前。例えば山田組みたいな。こういう考え方はユニットケアでも採用されることがある),それぞれの保育集団が一つの「家」を拠点とします。
その思想を体現した建築空間(群)。設計にあたっては,設計者と保育の話を徹底して行い,なんのための建築を作るのかということを共有することを大切にされたそうです。
5歳児の就学準備以降のための1日1時間の設定保育のほかは全くの自由保育としており,こどもは自分の保育集団を離れて他の集団に混ざることも自由。
特別支援も気負わずに。そもそも個を大事にしている,そもそも「できないこと」ではなく「できること」に着目する保育,であるので,特別支援教育だなんだと競う必要がないそうです。
小俣幼児生活團さんは、個の自立を大切に、普通であることを目指した本物のナチュラルな保育所です。
(本物であることが「普通」じゃないのが問題なのかも)
ありがとうございました。
お昼ご飯。銀釜さんで釜飯。
めいめい,好みの釜飯をいただきました(めちゃくちゃたくさん種類がある)。女将さんご自慢の通り,おこげが美味しい。ごちそうさまです。
銀釜さんの並びには閉鎖された元映画館がありました。これまたグッとくる景色。
午後は鹿沼市立粟野小学校さん見学。こちらも栃木県マロニエ建築賞受賞(近代建築2017年に掲載)。
(パノラマ撮影で歪んでいますがもちろんまっすぐです…)
公募式プロポーザルで設計者を選定。
市域の7割が森林という鹿沼市,「木のまち鹿沼」ならではの学校として,地場産材にこだわった木造二階建校舎。
オープン図書室(仕切れる部分と、動線空間を兼ねる本棚スペースが連続)が良いです。
こちらは,校舎の目玉である「夢階段」。
2階に配置された図書スペースはこの大階段とつながっていて、「めいめい好きな本を手に取り、座って読む」が日常的な風景になる。
学校建築にとって,行事や節目などに「記念撮影ができる場所が大事」とはよく言われますが,ここももちろん記念撮影スポットなので。
なんか半端なタイミングの一枚ですが? 粟野小学校の随所に木のブレースが使われていて印象的なので,ブレースのゼスチャーをしてみました,Xではありません(ジャンプしません)。
各所,それぞれのスパン等の特性に合わせたトラスが組まれています。
建築として,あまり凝った仕上げや納め方をしていないので固くなさ、素朴さが全体的な魅力に繋がっていると思います。
全校児童120人弱の,基準上「小規模校」ですが,特別教室の兼用などの計画要件の整理も確認できました。
ありがとうございました。
一路,今日の宿へ。鬼怒川温泉です。
夕食はバイキングだったのですが・・
日本酒のバイキングっていうのは困りますねえ(ニコニコ)。日替わりで6種類なんですって。困りますねえ。
わいわい食事を楽しみ,
研究テーマが近い学生さんたちのグループごとでのゼミを12時過ぎまで。他の人たちは裏番組で宴会。
お疲れ様でした。また明日。