最近記憶に残った作品の紹介。
東京オペラシティアートギャラリーで開催中の『アートと話す/アートを話す』のジョン・M・アームレーダー 「してはいけない!」(下記URLのトップページがその作品)。
http://www.operacity.jp/ag/exh69/index.html
レディ・メイド(ready made)というのは既製品をそのまま作品として展示してしまう形態のもので、この作品は過去のそういった既製品をかき集めたものだ。中でもマルセル・デュシャンの小便器なんかは有名で、実際この写真中央に鎮座している。
常識的に考えて、何かをコレクションしたり、何かを集めることは新たな価値を生み出したり、あるいは生み出せなくても価値を失うことはないのが普通なのに、これがもともとの作品たちを一堂に集めたのとはまた違った意味を醸しているのが興味深い。
10個の作品を集めたら10個分の価値があるのか?いやそもそもレディメイド作品に価値があるのか?といった感じだ。
既製品は製造過程で品質を均一に保たれているので、かつての本物の作品と、ここで使われたものたちの間にはそんなに大きな違いはないだろう。言うならばクローンと言ってもいい。
しかし実際に展示されているものを見ると、単なるがらくたというか、ガレージのごみを集めたようにしか見えなくて笑える。
おそらく、レディメイド作品は集めてもレディメイド作品かというのがこの作品のテーマなので、これ一発しか出しようがないというのもある意味潔くて笑える。メッセージが明確で良いと思う。
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