山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

指宿公演旅日記【3】

2011-12-06 19:56:31 | No.56「KAGUYA」
■12月4日(日)

公演が明けた。
今日は指宿から更に南へ行く。

皆さま、大変おつかれさまでした。そして待望の観光です。
旅公演は劇場の中に閉じこもりばかりだったが、今回は違った。
その分、肥後丸.女史は気が抜けなかっただろう。
一番のお疲れは彼女だったのである。

砂楽

みんなで砂蒸し風呂を楽しむ。
私が砂に埋もれている姿を見て「死体!だ。」と言われ笑われる。死体を笑うな。

唐船峡

年中無休の流しそうめんを食べる。
寒いとう感覚ではなく、冬なのに「涼しい!」と言った。
近くには開聞岳、池田湖がある。



長崎鼻(竜宮神社)


KAGUYAでも登場した乙姫様(田中幸太、何処から見ても見えない乙姫様役。)は鹿児島の浦島太郎伝説によれば竜宮城から連れて来られたことになっていた。
ここでは乙姫様が祀られていた。

長崎鼻(灯台・南の海)


リフレッシュする。
肥後丸.女史は気疲れしていたのではないだろうか。
ともあれ、劇団員ふるさと公演の第1弾は幕を閉じた。
今年の演劇公演はこれにてオシマイ。

次は12月9日(金)の総打ち上げ。今年、関わった方たちとの忘年会+クリスマスなど。
後、来年の活動計画を急ぐ。

指宿公演旅日記【2】

2011-12-06 19:45:10 | No.56「KAGUYA」
■12月3日(土)

am10:00会場入り。
午前中の舞台仕込みから一気に午後リハーサルをする。
休む間もなく、pm3:00、昼の部スタート。
熊本から新人KARENちゃんファミリー(6名)駆けつけてくれた。
お母さんはビデオ記録係スタッフとして働いてくれる。
弟(小3)は稽古から見てくれているので、「音楽のきっかけが早い。」と注文をつける。
心配していた雨も降らず、客足は上々。
玄関には花が飾られていた。





無事終了とは言うものの、夜の部でトラブル発生!
クライマックスで音が出なかった。アンプのトラブルである。
リセットされていた。
アカペラで歌いオドルことになる。
「5分間の休憩を頂きます。」と叫んだ。
はじめてのお客様には気付かれなかったが、内心パニックである。
お忙しい中、大阪から見に来られたkojimaさんは気付いていたようで、演出的な変更かと思っていたらしい。

肥後丸.ファミリーやその関係者で席は埋まった。
さて、どのように思われただろう。
指宿ネタでは笑いが起こった。終演んは涙もあった。
大衆演劇と間違って見に来られた方も。・・・いいじゃありませんか。
昼・夜の部共に肥後丸.母上様に受付をしてもらい感謝しています。
ファミリーと関係者様にはお礼申し上げます。
仮面工房さんも来てくれ、搬出まで手伝ってくれる。
けいすけさん、写真記録をありがとうございました。
さて、公演会場(居酒屋)での打ち上げ。









明日12月4日は観光を楽しもう。

指宿公演旅日記【1】

2011-12-06 19:38:27 | No.56「KAGUYA」
「KAGUYA」シリーズ第4弾、
劇団員「ふるさと」第1弾(肥後丸.)指宿公演、
皆さまのお力添えがありまして、無事終了しました。
こころより御礼申し上げます。


「旅日記」【1】~【3】まで綴ります。

■12月2日(金)

熊本をam10:00、車3台(11名)で出発する。桜島Pで12:00集合。ここまで200kmある。
あと50km先が目的地の指宿。指の宿!(本来は湯美の宿が変化したらしい。)



車酔いする新人KARENちゃんが心配であったが元気そのもの。今日は楽しい遠足です。
会場である和風居酒屋「かわき」にpm2:00に到着。
pm6:00お店の開店まで4時間の速攻舞台仕込みである。
残りは明日の本番当日の午前中に続行することに。舞台は畳、和風が活きる。

指宿での2泊3日の始まりは、昨年末からの最終公演となって感慨深い。
この1年、「かぐや」を思い続けていた。
物語に悲劇が見え隠れしてきた。隙間に民衆の力強さも見える。
物語の幻想・妄想に、舞台背景を病院と重なるように変化させた。

私たちのような小劇場が初参上となった指宿に通用するかどうか、・・・
やりたいようにやって通用すれば申し分ないこと。
肥後丸.のふるさととは言え、アウェーである。
私たちは地元熊本でもアウェーのつもりで演劇をやってきたのである。
その延長だと思えば心配はない。



←黒豚丼



 宿泊所は肥後丸.兄上様の一軒家。
二泊お世話になる。
私以外は近くの温泉に出かけ指宿の湯を楽しむ。その間、私は早々に芋焼酎を兄上様と。
呑めば都である。・・・楽しい夜は午前1時まで続いた。



その昔、1971年に鹿児島に来たことがあっが、言葉が通じる。
あの時は何を言っているのかさっぱりだったのだが・・・。

指宿公演12.3 舞台写真

2011-12-05 14:18:00 | No.56「KAGUYA」










肥後丸.ふるさと、鹿児島県指宿市居酒屋「かわき」にて。
12月3日(土)昼・夜の2ステージ終了しました。
写真は熊本から来られたけいすけさんより頂きました。
御来場頂いたお客様、お世話して頂いた指宿の皆さまに感謝致します。

これにて2011年の演劇公演は打ち止めになります。
尚、旅日記につづきます。


指宿公演【直前稽古②】

2011-12-01 23:56:12 | No.56「KAGUYA」
■12月1日(木)稽古LAST◎リハーサル



いよいよ明日12月2日より指宿入りします。
「かぐや」シリーズの第4弾、これにて終了の一幕。笑える、泣ける劇になった。
大阪公演10月末からすると歌が5曲増えた。会場が居酒屋でありイイ感じになると計算している。
公演場所によって見え方が変わる。お客さんによっても変わる。一見、無節操なようだが、これが劇の面白いところだと思っている。劇は変幻する。生きものです。

旅日記へつづきます。
http://star.nibi.jp/d/yumesajiki/


指宿公演【直前稽古①】

2011-11-30 23:35:50 | No.56「KAGUYA」
■11月30日(水)稽古LAST2



部分の稽古に明けくれる毎日だったが、やっと通しができた。全体が見えると出演者たちの気持や集中力が加速する。不安や自信のなさが吹っ飛ぶ程に加速した。いつものことだが・・・公演までに注意すべきは健康のみ。この季節、風邪などは御法度。
明日の稽古が熊本でのラスト。kaguya最終を指宿で打ち止めマス。盛り上がっています。御来場者様を裏切らない劇になる。

余談だが、来年の春は子どもたちの劇「日本昔話シリーズ」へ続けよう。
劇団員のふるさとシリーズも続けたいと思います。まずは指宿が終わったら計画を発表します。

No.58「新☆KAGUYA 指宿篇」作:夢現/構成演出:山南純平
出演:夢現/坂本咲希/田中幸太/工藤慎平/肥後丸./赤井犬彦/東田まなみ/KAREN
   山南純平/卓草四朗/海幸大介
時)2011年12月3日(土)午後3時/午後6時 開演
(C)higomaru1.2.

場)和風居酒屋かわき 
鹿児島県指宿市湊1-12-35 電話0993-22-6301

料)2000円
(ドリンク付き:生ビール、ジュースなど)
注:予約された方よりお席を確保致します。
予約先→yumesajiki@ybb.ne.jp 又は 096-343-0334 まで。

指宿よいとこ、一度はおいで~

2011-11-29 13:31:58 | No.56「KAGUYA」
公演直前である。劇団員ふるさとシリーズ第1弾。今回は肥後丸.女史のふるさと鹿児島県薩摩半島南端にある指宿市での公演。・・・海の向こうには竜宮城(琉球?)。浦島伝説の発祥の地とも言われるところで「かぐや」。会場は和風居酒屋。この町は温泉観光地あり、美味しいものばかりで、行った途端に玉手箱になる。劇は「あら、不思議。」泣いて笑って、歌ってオドル。

かれこれ15年前になるだろうか。初めて指宿に行ったのは「なのはなマラソン」であった。ランナーではなくカメラマンとして行った。マラソンの記録を撮るカメラマンの助手として行った。
イッシ―という怪獣が現れると噂される池田湖のレストランで「かつおのたたき」を食べたのが蘇る。ビンタ料理もあった。かつおの頭の煮込み料理で直系20cmはあった。
今年は公演下見や打ち合わせで3度、足を運んだ。行けば行くほど住みたくなる町だ。南へ南へ!狭い日本ではあるが、南には楽園があるような気持ちになる。海が大きい。

稽古は直前になっても「昨日言ったことと今日やることが違う。」混沌がつづいている。目が覚めると新たなことに気付く。これが毎日つづいていた。
イメージはハサミで切り取られ、糊で新たに張り合わせる。切り絵が組み合わさったような劇である。いわゆる、コラージュ劇(構成演劇)である。
苦労した分だけ大きい花が咲く。
(つづく)

公演1週間前

2011-11-26 23:26:17 | No.56「KAGUYA」

いよいよ指宿公演まで1週間となりました。
肥後丸.のふるさと公演です。劇団員一同、はりきっております。
歌ありオドリあり。スタイルの違う大衆演劇だと思えば、温泉観光地での夢桟敷も受け入れられる自信あり。・・・指宿の皆さま、お楽しみ下さい。

KAGUYA短編映画(DVD)化

2011-11-25 23:24:02 | No.56「KAGUYA」
私の周辺で「熊本でKAGUYA公演をしないのか?」という声が聞こえています。ありがたいことです。
「KAGUYA」は昨年12月よりシリーズ化しており、熊本ではNo.1,No.2を上演し、No.3の大阪、No.4の指宿は舞台記録映像として来年春よりDVDで配布を予定しています。その際は、短編実験映画もセットにします。
お時間とお金に余裕がある方は是非、12月3日の指宿公演へ足を運んで頂ければ幸いです。終演後の一杯、劇団員や指宿の人たちとの会話、「旅する演劇」+観光も含めて大いに楽しみましょう。
熊本での公演は、今、新作台本に取り掛かっております。

来年からの劇団夢桟敷の活動は舞台+映像制作の両面から取り掛かる新たな展開を試みます。
熊本での公演は新体制で「町の劇場計画」と海外公演を計画しており、その流れで実験的なイベント企画として取り組みます。
尚、劇団内での計画会議が煮詰まった段階で公表することになります。

膨張スルNo.5

2011-11-24 23:05:38 | No.56「KAGUYA」
■ラスト場面の変更

四人  「あけてびっくり玉手箱、
ハハの情念 ここに極まれり
千年恨みも消えうせた
廻る廻る 輪廻は廻る 
輪廻転生 かぐや 復活!」

BGM「スノードロップ」

舞台、徐々に明るくなる。
母、倒れている。かぐや、瓜子姫が重なっている。
その背後に医者。・・・病室。

医者「もうそろそろです。
   次の入院患者が待ちくたびれています。
   これで終わりにしましょうか。」
おと姫「先生、あなたこそ終わりにしましょう。
    無念だったでしょう。知覧から飛び立って死ねなかったあなたは。
    神風にもなれなかったあなたは無様でした。」
医者「え、君は何を言っているのだね。」
おと姫「ここは野戦病院ではありません。」
桃太郎「ここは大日本帝国の南の果てでもありません。」
医者「すると・・・!」

おと姫と桃太郎は気が狂ったように笑い始める。医者は鳥居の中へ連れ去られる。
起き上がる、母、かぐや、うりこ姫。⇒「月に吠える」を入れる。
「地面の底に顔があらはれ、さみしい病人に顔があらはれ。 地面の底のくらやみに、          うらうら草の茎が生えそめ、 鼠の巣が萌えそめ、巣にこんがらかつてゐる、かずしれぬ髪の毛がふるえ出し、 冬至のころの、さびしい病気の地面から、ほそい青竹の根が生えそめ、生えそめ、 それがじつにあはれふかくみえ、けぶれるごとくに視え、 じつに、じつに、あはれふかげに視え。 地面の底のくらやみに、さみしい病人の顔があらはれ・・・」
かぐや「過ぎた日々、あれから千年。 夢に見た 景色の向こうから。
    誰かが今、わたしの名前を呼んでいる。」
母「かぐや。」
うりこ姫「心に嵐が吹き荒れていた。いつも爆弾を抱えていた。・・・私を呼ぶのは誰?」
母「そのむなしさに慣れていた。いつも過去にうなされながら 後悔が一歩先を歩いてい
た。」
かぐや「夢に見た景色の向こうから、だれかが今、わたしの名前を呼んでいる。
母「かぐや。」
うりこ姫「誰?あの人の名前を呼ぶのは?」
母「お前だ。お前たちが呼んでいたのだ。」

うりこ姫「夢に見た景色の向こうでは、あなたはかぐやの母であった筈だった。
     あなたは一体、何者。」
母「さぁて。私は何者でしょう。さぁて、今日は何の日。」

BGM「スノードロップ」

うりこ姫「もうそろそろでございます。
月の都へ戻る時がやってまいりました。
……(月を見上げて)いよいよです!」
四人  「月が満ちて来ます!」

かぐや、泣いている。
うりこ姫、かぐやに近づく。手には天の羽衣。
箱女、よろよろと立ち上がる。

母   「わたしは空っぽになってしまった。
かぐや、今度はお母ちゃんが月へ帰る番だよ。
さあ、その羽衣を受け取るのです。
わたしのことを忘れておしまい!」

かぐや 「おかあさん、なんて美しい十五夜でしょう。
何もかもが美しい。
あの時のままです。
これで私とあなたの旅は終わったのですね?
空っぽになってしまったおかあさん、
祈りさえ届かない、遙か彼方の遠い世界に行ってしまうの
ですね。
お別れです、おかあさん!
やっと会えたのに、お別れです。
私の誕生日に、あなたは行ってしまうのですね。

あなたを忘れてしまうまで、
私は声を限りにあなたを呼び続けます。

おかあさん、おかあさん、おかあさん、おかあさん!」

うりこ姫、羽衣をかぐやの肩にかける。
その瞬間、母を呼び続けていたかぐやの体がストップする。

母   「(叫ぶ)かぐや!
さあ、私を箱に戻しておくれ!
次に生まれ変わるまで、この箱の中でじっと時を待つ。
さあ、空っぽの私を箱に戻しておくれ。
再びかぐやがやってくるその日まで、
月の都の番人に、箱を預けておくれでないか」

音楽
母、骨箱に戻っていく。

膨張スルNo.4

2011-11-23 17:32:25 | No.56「KAGUYA」
■「少女」つづき

「男の芝居をやりたい!」と思っている。私は少年時代より少女趣味について偏見を持っているからだ。それは母性愛への反抗の時期を迎えた頃に男として目覚めたと言える。何が愛だ、恋だ、安定し定住することに拒否反応があった。
冒険である。冒険することが何よりも男のロマンだと思えるようになった。旅に出よう。
「家」や「日常」から遠く離れたところには何が待っているのだろうかと夢を見る少年になっていた。
実際、冒険はロマンに満ち溢れたものとはほど遠い。冒険は貧困との戦いだった。働いて生活するだけで精一杯の時もあった。その時を迎えた時、心までもが貧しくなったものだと気付いたのは血を吐いて入院を余儀なくされた時だった。一回、死んだと思った。胃を切除されて生き返った。少年から大人になった時だった。
世の中は「父性社会から母性社会」に代わっていた。働く男たちが疲れ切っていたように見えたのは父が癌で亡くなった死顔を拝んだ時。人は死ぬのだ。それから30数年後、母も94才で亡くなった。
振り返れば昨日まで少年少女だった劇団員たちが舞台で暴れている。二十歳を過ぎた大人にはなっているが少年少女の無邪気さが見える。
今回の「KAGUYA」では子捨て、口減らしの悲劇を思わせる場面を散りばめた。美しさや面白さには、その裏側に毒がある。毒を舐めると人は死ぬが、劇では生き返る。虚構はリアルを超えてしまう凄さがある。
紅数点、女たちは毒を持って舞台に立つ。お客様も生き返る。私はそういう劇を目指している。
少女たちは笑う。そして泣く。ことばをも失う。得体の知れない感動がある。虚構ではあるが、生きている形を作ろう。少女たちの存在は中心に置かれる。これも逆説的に男の芝居である。

■正義の味方「月光仮面」について

何処の誰だか知らないけれど♪
劇では正義の味方はあっけなく撃たれて死ぬ。それは正義の味方が複数存在したからである。
バキューン!・・・「正義」は戦争の匂いに満ち溢れている。「正義」と言わなければ敵を倒す根拠がなくなる。敵とは「悪」である。言いかえれば鬼退治の言い訳がなければ正義とは言えない。

「KAGUYA」では「月」つながりで月光仮面を登場させたのであるが、ここにセーラームーンが登場するとどうなるだろうか。或いは忍者部隊月光が入り乱れるとどうなるか。
「正義」が反発し合うようになる。「われこそは!」自我の出し合いになる。
現実、戦争は悲劇でしかないが、舞台で喜劇になってしまうのは何故だろう。悲しいから笑える、楽しいから泣ける、人の感情は単純な神経ではないことがわかる。

膨張スルNo.3「少女」

2011-11-22 23:38:41 | No.56「KAGUYA」
命短し、恋せよ少女12才。

あなたが笑えば、笑いは伝染する。
あなたが泣けば、貰い泣きする。



劇団夢桟敷「新☆KAGUYA 指宿篇」でKARENちゃん(12才)が座敷童子(ざしきわらし)の役でデビューする。・・・劇団内では上は62才(卓草四朗)から年の差50才だ。まさに世代を超えた劇団になったものだ。
少女が稽古場でみるみる内に進化しているのには驚くばかり。AKBではないが、NEWアイドル誕生です。・・・ナマで見たい方は指宿へどうぞ。
(つづく)

膨張スルNo.2

2011-11-21 00:52:33 | No.56「KAGUYA」
■「KAGUYA 指宿篇」ネタ。

非公開である筈のネタを部分的に公開中です。だが、これは暗号でもある。稽古のためのメモ。

指宿篇では、「病院らしき空間」へと傾いてきました。これは夢桟敷独自の共通する伝統的な手法です。狂気が溢れます。狂気を表現するのには勇気と自信が問われます。
もう一つ、天変地異と大飢饉からくる貧困はメルヘンを生み出す。悪夢だからこそメルヘンは「夢の暴力」となる。

以下、三つの部分は(1)新人=KAREN、(2)肥後丸、(3)海幸大介 へ。



妖怪たち
「あの子が口減らしされた哀れな子。
 生きていたんだね。」

座敷童子
「(悲しそうに)わたしとあそぼー!

(注)更に追加!

口減らしって何?天変地異って何?大飢饉って何?
鬼が来るの?どうして鬼が来るの?どうして・・・?。
そしたら、みんな、助かるの?どうして助かるの?どうして・・・?
どうして答えてくれないの?どうして見て見ぬふりをするの?どうして・・・?
ねえ、あそぼー!どうして遊んでくれないの?わたしが見えないの?
どうして見えないの?ねえ、どうして?どうして?どうして?
あそぼー、鬼ごっこして。あそぼー、かくれんぼしよー。
わたしをかくまって!・・・わたしはひとりぼっち。
ねえ、わたしとあそぼー!
そしたら、大金持ちになれるのに。(退場)」

妖怪たち
「え?大金持ちになれる。おいおい、待ってくれー!」

(略)

■夢から覚めた夢

母「・・・だってあそこには、あの子がいる。」BGM「Envy」cutoffのところに

うりこ姫
「あの子とはお前のことだ。お前は捨てられたのだ。この世からもあの世からも捨てられた。捨てられて忘れられて、何もなくなってしまった。何もない。何も見えなくなった。
だが、私たちには見える。それは、あの子と同じだからだ。同じだ。同じ夢の物語の中に生きていたのだ。
夢から覚めた夢とは永遠の迷路だ。あの子はお月さまから帰って来た。」
かぐや「あの子?あの子って誰?」

(略)

■医者(魔物を生み出した後に追加)「人形遊び」

「これはバケモノですから・・・」BGM「宇宙船」cutoff

取り巻く妖怪たち、仮面を剥ぎ笑う。

医者「ねえ、手術の時間ですよ。痛くなんかありません。やさしくしてあげますからね。」
妖怪「やさしくしてあげて下さい。こんなかわいい子にバケモノとは何事ですか、先生。」
医者「だって、この子は生まれてきてはならない子だった。」
妖怪「先生はこう言いたかったのですね。」
妖怪たち「不憫な子だ。」
医者「この子が生まれたら、私の食べるモノが減る。みんなが飢え死にする。だから・・・」
妖怪「だから言ったでしょう。先生はさっき食べたばかりです。」
妖怪たち「食べたことを忘れたのですか。」
医者「いいえ、私は食べていない。誰も食べさせてくれない。ここは地獄だ。」
妖怪たち「はい、地獄です。」
(人形を愛撫する医者)
医者
「お前だけなんだよ。バケモノだけなんだよ、私のことをわかってくれるのは。
 かわいいね。お前は何も喋ってくれない。おとなしい子だ。
 ねぇ、手術の時間ですよ。痛くなんかありません。やさしくしてあげますからね。」
妖怪たち「やさしくしてあげますからね。」
医者「やさしくしてくださいよ、お願だから。私は傷つきやすいのです。
   ほら、あの子が泣いています。お月さまを見て泣いています。」
妖怪「よしよし。いい子だからおとなしくして下さいよ、先生。
    あなたのベッドはここではありません。ゆっくりお休みなさいませ。」
医者「痛くしないで下さいね。私は痛いのが嫌いです。お願いだからやさしくして下さい
ね。」
妖怪「ほら、お月さまが見ていますよ。お月さまがことらを見て笑っています。」
医者「あ、お月さまが笑っている。」
妖怪たちが笑い始める。
箱に上るかぐや。
妖怪たち「お月さまが笑っている。」

母「昔々、あの夜は十五夜でした。・・・(へ、つづく。)

1に公演、2に観光

2011-11-19 15:30:07 | No.56「KAGUYA」
■3回目の指宿下見と打ち合わせ 11月15日


肥後丸のふるさと指宿へ走った。今回で3回目である。
上の写真は開店前の公演会場である和風居酒屋「かわき」。
お店のマスター夫婦と打ち合わせをして判ったことだが、公演日の12月3日は指宿ではお祭りがあるらしく、旅館やホテルは宿泊客で満杯らしい。興味のあった観光列車「たまて箱」号も当日の切符が売り切れているとのこと。曰く、「九州新幹線効果」。
劇団員たちは肥後丸の兄上様の家に宿泊することになっているのだが、中には旅館に宿泊しようと思っている者もいて、それが怪しくなってきた。間に合うか!・・・調べてみると大手ホテルは満杯状態である。素泊まりのところになるだろう。

この日は朝9時に出発して夜6時から稽古が入っており、往復6時間、500kmを走ったことになった。指宿での滞在は3時間程度。ゆっくり観光気分を楽しむことはできなかったが、ここにきてそれは邪心というもの。
感動的で面白い劇をお見せすることが第一の目標!・・・口がすべると、1に観光、2に公演と言ってしまう。いかんいかん。お客さんならそれでも良いが、私たちは主催する側だ。ふーむ。
熊本からも20名程度、追って指宿まで来られる。浮ついてはいられない。まして、お世話になる指宿の方々に申し訳が立たない。1に公演である。ふーむ。

■稽古の日々。

大阪公演が終わったからといって安心してはいられない。まるで環境が違うのだ。
大阪は野外、指宿は店内。この環境の違いが新たな発想を生み出していく。内容まで変更してしまう。イメージは膨らみつづけている。
お店の雰囲気を生かしたい。
まず、呑みながら見て頂くに耐えられる劇作りに意識は集中する。劇を観賞するというものではない。メリハリが細かくなってきた。お客さんを飽きさせてはならない。酒好きで酔ったお客さんを盛り上げることができるか。劇の醍醐味を発揮しなければならない。
さあ、歌えやオドレ。指宿はお祭りである。・・・えっ?市長が来られる?どっ、日本の恥、熊本名物、どっ、どうなる。
(つづく)

咽(ノド)ちんこが笑う

2011-11-16 19:14:48 | No.56「KAGUYA」
略して「ちんこわらい」。

困ったものですね。この感覚を説明しようとしても言葉で追いかけることができません。つまり一筋縄ではない劇と断言できます。だから、「ちんこわらい」は見てのお楽しみということになります。言わば生理現象に感動を求めています。
はじめて見られる方はハテナマークが頭で飛び交うことになるでしょう。そしてそれが私たち演じる側の企みでもあるのです。・・・つまり、「ハテナ劇の面白さ」を体験して欲しいのです。指宿の皆さま、宜しくお願い致します。
劇はびっくり箱です。何が出てくるかわかりません。びっくりするワクワクドキドキ感は、やがて悲しくなり勇気や喜びにも代わっていきます。
人のココロは複雑怪奇です。謎めいています。・・・私は思春期の頃より「ちんこわらい」するようになりました。今では咽(ノド)ちんこから嗤(ワラ)えます。ふぁふぁふぁあ~。

「竹取物語」をベースにした劇を昨年(2010.10)より「KAGUYA」シリーズとして取り組んで参りました。
今度の指宿公演が第4弾の最終公演となります。
日本の昔話など民話には「メデタシメデタシ。」では終わらない。伝承や語りの中にぽっかり空いた大きな穴があります。空洞を発見しました。それは名もない草木のように黙っていたのです。耳を澄ませば名もない民衆の叫びが穴の中に埋まっています。

さて、明日11月17日は3回目の指宿入りをします。情宣です。多くの方々に見てもらいたいと切に願っております。
(つづく。)