A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ワンホーンの魅力はやはりテナーサックスで・・・

2007-07-06 | CONCORD
POSITIVELY / PLAS JOHNSON

「会場も新装成った1975年のConcord Jazz Festival。
暖かい8月の夜、HANNA-FONTANAのバンドに加わって出演したのはPLAS JOHNSON。彼が“OLD FOLKS”を演奏すると、会場に何か特別なことが起こった雰囲気を感じた。
そして聴衆から、一緒に演奏したメンバーからも賞賛の拍手が沸き起こった。」
と、PHILIP ELWOODはこのアルバムのライナーノーツの冒頭に書いている。

その興奮も冷めやらぬ内、数週間後にはJOHNSONは、自身のリーダーアルバム“BLUES”を吹き込んだ。
これが、当時Concordでは一番売れたアルバムになったそうだ。

そして、続編の録音となったのがこのアルバム。
シンプルなデザインのジャケットを見ただけで、何となくテーナーの明るい、楽しいサウンドが聞こえてくるような感じがする。
メンバーは、前作と同じ。一部ドラムがJimmy Smithに代わっているが、基本的なサウンドは同じ。ギターが入り、コンガが入った編成に、時にMelvoinのエレキピアノを加えたサウンドは心地よい。
再び、Johnsonのワンホーンの魅力を十分に楽しませてくれる。

ワンホーンの演奏は、バックが平凡だと単調になりがちだが、このメンバーでは心配はいらない。実に多彩なバックでソロを引き立たせている。
ワンホーンの魅力を引き出すのは、やはりバックの音作りも大事というのがよく分かる。

ギター中心でスタートしたConcordレーベルで、サックスプレーヤーで最初にフューチャーされたのは誰かというと。SCOTT HAMILTONもまだ登場していない中、実はこのPLAS JOHNSONだった。
テナーサックスは、魅力ある音色をいかに最大限生かせるかが勝負。テクニックも大事だが、アップテンポに、バラードで、そしてブルージーに、いずれもストレートに訴えて共感を得られるかが人気を得る秘訣だと思う。

昔、「ムードテーナー」なるジャンルがあって、サムテーラーやジョージオールドなどが、テナーの音の魅力を売りにして、日本でも一時流行ったことがある。曲は演歌とかヒット曲など一般受けする曲を選んで。これも、テナーの魅力を引き出す一面であったのだ。

前作の"BLUES”がよく売れたのは、このPLAS JOHNSONのテナーのサウンドと、Concordの狙うコンセプトがピッタリあったのだろう。ブルースやスイングの原点に根ざした演奏は、アメリカ人の“演歌心”をくすぐったのかもしれない。
人気を博したのもよく分かる。
この演奏には、何か人を惹き付ける魅力があるのだ。

さらに、このアルバムではJOHNSONは、テナーだけでなくアルトも何曲か披露しているが、これがジョニーホッジス張りの「輝くアルト」。テナーに続いてまたまた新たな魅力を聴かせてくれる。

1. Positively *                          Johnson 3:30
2. Lover Man               Ramirez, Sherman, Davis 4:41
3. Let's Get It All Together *                Melvoin 7:06
4. Easy for You to Say                   Johnson 4:36
5. Never More                         Battiste 4:47
6. My Foolish Heart *              Washington, Young 5:26
7. Careless Love              Handy, Koenig, Williams 5:04
8. Cottage for Sale                 Conley, Robison 4:27
9. Dirty Leg Blues                       Johnson 3:32
10. Sea Sea *                          Brown 4:37

Plas Johnson (ts)
Herb Ellis (g)
Mike Melvoin (p)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)
Jimmy Smith (ds) *

 Recorded 1976  (CJ-24)
コメント
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