A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

TVショーを収録する合間のひと時、くつろぎのジャムセッションで・・・・・

2007-07-08 | MY FAVORITE ALBUM
The Original Jam Sessions 1969 / Quincy Jones and Bill Cosby

「WALKING IN SPACE」で久々に、クリードテイラーのプロデュースの元、豪華なメンバーが集められた。
Quincyのオーケストラもテイラーの手にかかると、ゴージャスなサウンド作りで、Quincyの新しい一面を見ることができる。
メンバーにも、昔から一緒にやってきたJerome RichardsonやJimmy Clevelandに加えて、ベテランのジャズ仲間が多く集まった。さらに、その中に混じってFusionの世界でその後活躍するBob JamesやEric Galeなど新たなスターの名前も見受けられる。

その新旧のメンバーは、普段は一緒に一体どんな演奏をしていたのだろう。
それも、JAZZの演奏で一番JAZZらしいJam Sessionで。

数年前のVillage Vanguardでのライブでの新旧のジャムセッションのアルバムはストレートな主流派のジャズであった。Fusionが始まろうとした時、新旧ミュージシャンの共演は一体どんな姿であったのだろうか。

久々に、QuincyはJAZZアルバム(これをJAZZというには抵抗があった人もいたようだが)を出したが、これは基本的にアレンジされ計算されつくしたサウンドだ。
これでは、実態は分からない。
ジャムセッションの世界は、残念ながらこのアルバムで実現されている訳ではなかった。

Quincyはこのアルバムを出した後も、相変わらずそれ以前から担当していたBill Cosbyのテレビショーの音楽監督を務めていた。そこに新旧のミュージシャンが終結していた。
目的は、テレビのショーの音楽を録るためであったが、腕利きのミュージシャンが集まってそれだけで済むわけがない。
実は、Quincyがスタジオ入りすると、すでに集まっていたミュージシャンはいつもジャムセッションをやっていた。クインシーは、彼らの絶好調のプレー振りを聴くと、「そのノリをそのまま」とよく言っていたそうだ。

この、テレビの音楽の収録前に新旧のミュージシャンがやっていたジャムセッションがちゃんと録音されていたのだ。
アルバムとして紹介されたのは、つい最近2004年のことである。
まさにFuisonが生まれようとしていた時代に、どんなセッションをやっていたのか見ものである。

このテレビ番組の主題歌である、Hikky-Burrで始まる。
John Guerinのドラム(Ray BrownのConcordのアルバムに登場するが、この頃からの付き合いなのだろう)の8ビートにのって、Arther AdamsのWah Wahペタルを使ったギター、そしてJoe SampleのFender Rhodes。ちなみに、テレビにWah-Wahペダルを使ったギターが登場したのは、これが始めてだったそうだ。
それに、Milt JACKSONやEddie Harrisのテナーが加わる。完全にFusionのノリでのJAM SESSIONである。
その後も、あっと驚くようなSESSIONが続く。Milt JacksonとMonty Alexsanderの4ビート。バイオリン(奏者は不明だが)とClare FischerのピアノのDuoもある。おそらく、バックのバイオリンの奏者の一人とFischaerが思わず弾き始めてしまったのだろう。
いずれにしてもこの録音は、リハーサルの延長上のリラックスしたSESSIONをそのまま録音したもの。新旧ミュージシャンが、それぞれの特徴を生かしながら融合している。
これが本当のFusionかもしれない。
ジャムセッションの本質はこんなところにあるのだろう。

1. Hikky-Burr (Kincaid Kinfolk) (5:58)
2. Groovy Gravy (8:14)
3. Oh Happy Day (4:20)
4. Jimmy Cookin' On Top (Interlude) (1:42)
5. Toe Jam (7:49)
6. Jive Den (3:13)
7. Eubie Walkin' (7:00)
8. Monty, Is That You? (6:44)
9. Drawing Room (Interlude) (0:59)
10. Hikky-Burr (3:47)
11. Hikky-Burr (Mix Master Mike Remix)(*) (3:01)

Quincy Jones (Producer)

Marvin Stamm (tp)
Ernie Watts (Ts)
Jimmy Cleveland (Tb)
Eddie Harris (Ts)
Milt Jackson (Vib)
Arthur Adams (Guitar, Liner Notes)
Clare Fischer (Piano, Fender Rhodes)
Joe Sample (Fender Rhodes)
Monty Alexander (P)
Les McCann (P)
Jimmy Smith Organ (Hammond)
Carol Kaye (B)
Ray Brown (B)
John Guerin (Dr)
Paul Humphrey & The Cool Aid Chemists (Dr)
Bill Cosby (Vocals)

Original Jam Sessions , August & September , 1969
コメント
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