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海の日3連休は静かなスタートとなりました。梅雨明けしていたならば、おそらく数十張の色とりどりのテントでキャンプ場も埋め尽くされていたはず。とはいえ、夏山シーズンの幕開けには変わりなく、今シーズンで一番多いお客様のご利用を頂いています。そんな連休初日ですが、これは毎シーズンお伝えしている、”悪い意味での夏山らしさ"も早速見受けられます。午後7時近くに到着される方もあれば、ご予約キャンセルの連絡がないままに未泊の方(お電話での確認にもお返事が頂けていません)、さらには、午後8時半過ぎに雨の中をヘッドランプに短パンの格好で新穂高まで下山しようとする方も・・・。心配な雨の夜になっています。
「登山そのものは、自己責任で登山者各自が行うもの」という側面はもちろんあります。「あなたに心配してもらう必要はない」という意見に、反論することもありません。そのかわりに、更新担当の体験談をひとつだけご紹介します。もう十数年前になりますが、四国遍路旅の道中、一人のお坊さんと出会いました。当時の私は、毎日40km平均くらいを歩いて、30日間で八十八ヶ所を”制覇”しようと、夜中でも歩いていました。そんな”頑張ってる自分”に少なからず酔っていた部分もあり、それを自慢げにお坊さんに話をしました。そして、脳ミソをガツンと殴られるような言葉をもらいました。
「君はそうして夜でも歩くというけれど、もしも、その姿を見かけた人、たとえばお婆さんがいたら、『今夜、あの人は眠る場所があるだろうか・・・』と、心配してくれているかもしれないよ。自分が気づかないところで、いろんな人に心配してもらって、気にかけてもらってるんだよ」
標高を上げれば上げるほど遠くまで景色が見えるように、”想像力の奥行き”を拡げれば拡げるほど、”単独行”が実は自分一人では完結し得ない、という事実を静かに感じ始めるような気もしています。長文になりましたので、今夜はこの辺で。
それでは本日の気象情報。
午前6時。
午後6時。