ターボ・モーターの"そんなボクです..."

ギターを弾いて歌う...そしてボクはロックンロールを今日も転がす。
ターボ・モーターの気まぐれダイアリー

「メモリーなんていらない・後編」(再)

2010年10月08日 | Weblog
メッキリ涼しくなりましたネ~ま、一昨日の続きなワケですが。

1985年のある春の日の午後。
ボクの友人である「アラン」は頭半分だけを丸刈りにし、その髪には色とりどりのカラースプレー。
そう彼はまさに、当時「ロマンティックがとまらない」で大ブレイク中のバンド「C-C-B」のような髪の色でボクらの前に現れたのだった...

※注 昨日付けのブログ、よかったら先に読んでネ。

「わっしょネ~っ!C-C-Bみたいになっちゃぁらぁぁ~っ!」
(大阪弁訳:「うわっ、C-C-Bみたいになってるやんっ!」)

ずいぶん上品な言葉使いしかできなかったボクらは感嘆の声をあげた。

こうなったら、もちろんボクらもやるしかないっ。
ボクともうひとりの友人「ロバート」は急いで「アラン」を「C-C-B」に仕立て上げた散髪屋さんへチャリンコを走らせた。

「アランみたいにやってくれ!」
「あぁ、いいとも。」
店主は、ファンキーに快諾してくれた。

髪型に関しては、さすがに半分だけ丸刈りはイヤだったので、ちょっとすその部分を刈ってもらい、後日丸刈りにするということにした。
何よりも「カラフルに染まったヘアーありき」だった。
1時間ほどすれば、ボクらもいっぱしのC-C-Bになっていた。

帰り道、ボクらはさっそうとチャリンコで神社の横を駆け抜けた。
神社の庭にいたのは、かつての同級生の女の子たち。
ボクらはすかさず、被っていた黄色い帽子を脱ぎ、彼女たちにそのカラフルな髪を見せつけてやった。

クジャクだってオスの方がカラフルな羽根をしてるんだ。
女のコの気をひくために...
そう、それはまさにボクらが、「ピーコック・ムーヴメント・リヴァイヴァル」を泉州という恐ろしく保守的なこの田舎で巻き起こそうとした瞬間だった。

まぁ結局のところ、女のコのハートはつかめなっかたが、「卒業後、アイツらは不良になった。」とか、「何かキモイ(今風に言えば)...」というウワサだけは、ほしいままにすることができた...

それから2,3日ほど、ボクらはカラフルな髪型を楽しんだ。
毎日必要以上に「ロマンティックがとまらない」を口ずさんだ。

ボクらのパパやママはみんな険しい顔をしたが、ボクらのロマンティックはとまらなかった...(なんちゃって。)

ロバートはカラフルな髪の毛のまま、中学入学前の説明会に出席した。
好奇の視線をひとりじめにしながらも、立派にクジャクの羽を広げた彼もまた立派な「男」であり、「ヒーロー」であり、そして「ひとりC-C-B」だった。

後日...
アランはいち早く散髪屋に行き、「規格どおりの坊主頭」になった。
ロバートもまた同じく...
ボクももちろん散髪屋に行き、バリカンでヤッてもらった...
刈り取られていくカラフルな髪の毛にサヨナラを告げ、ボクらはそれぞれの道を歩みだしたのだった。

ボクらは、もうしばらく春休みを楽しんだ後、晴れて坊主頭の中学生になった。
ボクとアランは同じ学校へ。同じクラブで3年間過ごしたが、彼には別に仲のいい親友ができ、ボクはボクで素敵なガールフレンド(卓球。つまりクラブ活動)に夢中になり、卒業後は、別々の高校へ進学し、会うことはほとんどなくなった。

ロバートはとなりの別の中学へ入学した。
小学生の頃は、ほぼ毎週、土曜のお昼に「吉本新喜劇」を見ながらご飯を食べていたボクを、誘いに来てくれてた彼とも遊ぶ機会は少なくなり、次第に会うこともなくなっていった。

あれから25年...時代は昭和から平成へ。

アランは大学を卒業後、某有名住宅会社に就職。現在は結婚し、子供も生まれ、幸せに暮らしているそうだ。

ロバートは大学へ進み、イギリスへ留学。
その他海外を多数訪問。現在は家業を継ぎながら、奥さんと子供と共に平和に暮らしているようだ。

ボクはというと、高校入学後、身長の伸びはとまったクセに、190cm以上もあるボウイの布袋寅泰に憧れ、16歳の頃からギターを弾き始め、17歳でバンド活動を開始。

いくつかのバンドを経験し、30歳を越えてからは、グリースを塗ったくってリーゼント...

現在では、ウワサのロックンロール・バンド「THE MOTOR 3」のメンバーとして、現在もこの泉州で「くだらんブログ」を更新しながら、毎日を過ごしている...

もう、ボクらがあの場所へ戻ることはない...

1985年...ボクらはまだ子供で坊主頭の田舎の中学生だった。
世の中がどんな雰囲気だったか、そんなことはあまりよく分からなかったが、ボクらが抱いていた「大人になること」の憧れだけは、キラキラと輝いていたように思う。

せつないまでの恋心...
将来への不安...
汚れなき情熱...
勉強机の引き出しの奥に隠したエ○本...そして僕は途方に暮れる...ん?

すべてが不自然な形で混ざり合っていた...

転がる石のように...
(このフレーズはちょっと「イキがって」使ってみたかっただけです。)

尊敬すべき友人「アラン」へ
親愛なる友人「ロバート」へ
そして、こんな内容の無いクセにダラダラ長い文章を最後まで読んでいただいた皆様へ。

心から愛をこめて...
昨日届いた携帯電話の請求書もつけて...

昭和85年 初秋。
小っちゃな頃から小っちゃかった、空想KISSが得意な男「トーマス」より。

※この物語に登場する人物の名前はもちろん仮名です。本名は本人の名誉のため、当然のことながら言えません。

でも実話です。
そう、実話なのですから。

http://www.youtube.com/watch?v=Vbg7YoXiKn0&feature=related