そういうわけで、「木のむろ」にある本と、学校へいきたいとおもっていることは、ヨンダくんひとりのひみつでした。
うららかな春のごご、木のむろへといそぐヨンダくんを、おもいがけないこえがよびとめる、あの日までは。
「ヨンダくんではありませんか」
だれもしらないはずの、もりのこみちでよばれてふりかえると、そこにいるのは、なんと人間でした。
「ヨンダくん、ヨンダくんだ」
そのひと――人間は、かんきわまったようすで、ヨンダくんへあゆみよろうとします。
おもわずにげだそうとする、ヨンダくん。
「まって、まってください。おねがい」
人間は、われにかえったように、あゆみをとめました。
「ぼくは、きみにきがいをくわえないと、やくそくします」
「あなた、人間でしょう」
「そうです。ヨンダくんを、さがしているんですよ」
ヨンダくんは、くびをかしげて人間をみあげます。
「もうしおくれました。ぼくは、ヨンダクラブたんさくたいいんで、田中といいます」
うららかな春のごご、木のむろへといそぐヨンダくんを、おもいがけないこえがよびとめる、あの日までは。
「ヨンダくんではありませんか」
だれもしらないはずの、もりのこみちでよばれてふりかえると、そこにいるのは、なんと人間でした。
「ヨンダくん、ヨンダくんだ」
そのひと――人間は、かんきわまったようすで、ヨンダくんへあゆみよろうとします。
おもわずにげだそうとする、ヨンダくん。
「まって、まってください。おねがい」
人間は、われにかえったように、あゆみをとめました。
「ぼくは、きみにきがいをくわえないと、やくそくします」
「あなた、人間でしょう」
「そうです。ヨンダくんを、さがしているんですよ」
ヨンダくんは、くびをかしげて人間をみあげます。
「もうしおくれました。ぼくは、ヨンダクラブたんさくたいいんで、田中といいます」
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