陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

京四郎と永遠の空 第三話「舞い踊る螺旋」 その3

2007-02-01 | 感想・二次創作──神無月の巫女・京四郎と永遠の空・姫神の巫女


拝啓、私の読者様。
今度は誰にも邪魔されなかった仲睦まじい裸のお付き合い(アヤしい表現ですね)いやぁ~お風呂ってほんと、いいですねぇ~(水野晴朗ふうに)しかし、そんなお風呂上りの肌もしっとり潤った二人の乙女の恋仲(だから違うって)をまたしても引き裂く者がいました。そう、綾小路京四郎です。


せつなが腕によりをかけた愛妻料理に手をつけずに、城塔学園に白鳥空を連れて行くと言い出す京四郎。そんな彼に冷たさを覚える空。両親を失い、平凡な学園生活も奪われた空にとっては、この二人と過ごすことは家庭の幸せを取り戻すような気持ちだったのでしょう。自分の恋心もさりながら、そんなささやかな温かな空気をもっと包まれていたかったのではとも思います。空が、せっかくのお料理がもったいないとせつなの報われない想いを、さりげなく届けてあげるのもポイント。さっきのキスのお礼ですか?まあ、単に自分がつくった目玉焼きの感想を聞きたかっただけかもしれないですが。京四郎はそんな空の言葉にも、足をとどめようとはしません。誰にも優しい王子様であって欲しいけど、自分だけの、たった一人の王子様でもいて欲しい。女の子の心理は複雑です。


だけど、ボディガードのせつなと離れてまで自分と二人だけで地図に無い道を進むと提案した彼を、勇敢で頼もしく思うあたり、やっぱりこの子、現金です。あとで、それで痛い目に遭うのですが…。


「見ず知らずの生徒のために危険を恐れずに闘う、この空みたいにどこまでも澄んで高い…こういうのを志っていうんですよね」


見ず知らずの乙女である自分の制服を公衆の面前でためらいもなく脱がした、非の打ち所ありまくりな男なんですが、そのひと。


身を包んだ憧れの城塔学園の制服が純白のウェディングドレスに見えちゃう空は、すっかり花嫁気取り。衣装は気分を演出するというけれど、彼女はいささか夢を纏いすぎのようです。でも、この制服だとマリみてネタ(コミックス一巻参照)はできませんね。ちなみにこの制服は、第一話の冒頭夢の中で幼い空が着ていたものと同じなので、「神無月」の巫女服同様、因縁めいた使われ方をするのかもしれないですね。まさか黒づくめの京四郎のと取替えっこはしないでしょうが(スカートの京四郎を想像してみてくださいな(笑))



京四郎に身を預け白馬の背に揺られた空は、デートとハネムーンが一緒に来たとほざいてます。春のぽかぽか陽気だった彼女の頭の中のカレンダーは、いまやジューンブライド。いつもおめでたい行事でいっぱいのようですね。学園を教会に見立て、ヴァージンロードを共に歩んだ京四郎とキスまで妄想。だめだこりゃ(byいかりや長介)


せつなとは恋人でもパートナーでもなく、剣だと断言する京四郎に、「せつなさんも、それで納得してるんですか?」と食い下がる空。「いま大切なのは君のことだ」と、殺し文句で質問を遮ったあたりが、確信犯的に恋愛詐欺師です。秋波まで送っちゃて、一体テレビの前の何人の(小西ファンの)お姉さま方を虜にするつもりなのでしょうか?でもね、はっきり言わせてもらうと、そんな悩殺流し目遣っていいのは、千歌音ちゃんだけだ!


「絶対天使は恋人にはなれなくて…私は空っぽで、つまんなくて、お姫様でも何でもないけれど、それでも私は人間で…私は言われたんだもの、一緒に行こうって。二人で行こうって」


たぶん、後からこのときの自分の言葉に追い詰められるようになるんでしょうね。白鳥空一人の思い上がりというよりは、人を超える存在としての天使を生み出しておきながら、虐げたり、忌み嫌ったり、従えて優位に立とうとする人間の傲慢さを代弁しているようにも思われます。


京四郎の講じた手段が裏目に出て、たるろってに急襲される二人。たるろっての動きがなんかトリッキーでおかしかったです。今回は笑いどころが多過ぎ。その反動で次回はかなりシリアスになりそうですが。空に染みついたヴァニラの匂いを嗅ぎつけたのが誤算だったというより、はっきりいって京四郎、策士として失格なんでは?機動風紀七番隊から絶対天使探索レーダー借りときゃいいのに。


やっぱり、せつなちゃんが側にいないと

まったく無能
です!



京四郎の危機を察知してせつなちゃんが馳せ参じますが、(このことから京四郎がせつなと連絡を密にとってもいないことが露呈)時既に遅し。パドラスに蹴飛ばされた列車を避ける際に、体を崩して二人(と馬)は谷底へ落下。情けないです、不甲斐ないです、京四郎。


貴方、言ったわよね?必ず守るって。八つ裂きにされても、心が砕けても、守るんでしょ?まさかその覚悟もないのに、軽々しく口にしたというの?(by 千歌音ちゃん)


いや、京四郎はさすがにそこまで言ってませんが…。しかし、「行こう、一緒に」がいくら口癖とはいえ、奈落の底まで二人一緒に行くことはないと思いますが。でも、数十メートルの高さはあるソウマロボの掌から落ちる姫子を華麗な受身でキャッチしたり、姫子の盾となってツバサロボの刃にも動じなかった千歌音ちゃんだったら、千歌音ちゃんだったら、もっとマシな助け方した気が…。(ああ、神無月病がまた…)


そもそも、こんな足場の悪いところで戦う前に、彼女だけでも何処かへ避難させるべきじゃないか?たるろってと空とのぼけツッコミ会話を聞き流している時間で、逃げられたはず。明らかに彼は実戦経験積んでませんね。


なのに退くことを知らないので、自分よりか弱い白鳥空の身の安全を第一に考えない。一人の命よりも、兄と誓った自分の信念を守ること、戦いの意思を貫くほうが大事。これは、京四郎がうわべでは親切を装いながら、憎むべき絶対天使であるはずの彼女のことを心の奥底で蔑ろにしている気持ちの表れなんじゃないかと邪推してしまいたくなります。


この物語は、見るからに体格のいい男が拳を振るわないで、口先で論戦しあっているだけで、いたいけな少女に戦わせているっていうのが、なんともいえないですね。まあ、だからこそ余りグロい暴力シーンがなくて安心して見られはするんですが。


ところで、今回登場した名物スクールは、 「水泳学園」スクール水着姿の女生徒が、たるろってに襲われて瀕死状態。「保健室女学院」といい、絶対天使は自分と体のつくりが近い女子を狙うのでしょうか。きっと今後も制服マニア受けしそうな学園が目白押しなんでしょう。「婦警学園」とか「新体操女学院」とか(笑)


三話連続で、空と京四郎が手を繋ぐシーンで終わりましたが、次回は二人っきりのシーンが多そう。京四郎の心中も語られて、この男女の距離はさらに縮まりそうですね。回を追うごとに鈴の音色がいや増して寂しく響き、慌しく京四郎に口づけられた唇に触れて余韻に浸るせつなちゃんが、とっても可哀想なんです(泣)



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すげぇ学園名だね… (SS)
2007-02-01 21:28:22
いやホント…このブログの存在は私の救いです
見たいけど、写らないから…
しかしそれ以上に素晴らしいレビューです!
有難うございます!!今後も期待!


今日何となく神無月最終話見たんですけど、
やっぱり名作中の名作よ…(涙
姫子、最後にソウマのこと振るじゃないですか
その時の発言を考えると、空の妄言も「王子様」が
いて、運命的な繋がりが有るのなら 
全部…半分…いや三分の一位は…
許せます 彼女も後半で激変する可能性もありますし

コメンタリーも改めて聴いたんですけど、
神無月2で巫女の運命から開放…だったらいいなとか
彼女らが言ってて、京四郎が出たからにゃ続編は
まず望めないとなって、少し絶望…割と安堵

安堵の訳は、あれでも素晴らしすぎだから、
妙な続編が出る可能性も無くなっての
安心もあったのです


姫千歌によるアフレコショートストーリー
(私の名前が名前なのでこういうヘボ表記に)
の更新も期待してます! では! ごきげんよう!
返信する
次回の学園名はもっと凄い (万葉樹)
2007-02-02 19:31:41
ごきげんよう、SS様。
さっそくの書き込み、びっくりしました!
返信を考えていたら無駄に長くなってしまい、即レス
できずにごめんなさいです。
いつも、ご丁寧な寄稿文有難うございます!

レビューがいいのでなくて、元の作品がいろいろ言及
せずにはいられない面白おかしきつくりとなっており
ますので。もうスタッフも確信犯的に創っているんで
しょうね、これは(笑)
ちなみにかなり話の本筋を曲解していて信憑性に問題が
ありますから、DVD観てびっくりしないでくださいましね。

幻の想い人がいるという点で、未来の姫子も、現在の空
も同じ。「京四郎」のはじまりは、「神無月」の終わり
をやや趣向を変えて、引き継いでいるといえそうですね。
どちらも魅力的な主人公だと思いますよ。
ですが、夢の王子様像を温めつつも、目前の相手との
アプローチを拒めない空はやはり現実的?
空と、夢の王子様とは「運命」という綺麗事ひとつでは
一概に片付けられない関係性があるような…。
空のモノローグは最終回まであの調子を保って、姫子の「お陽様はお月様があるから輝く」宣言以上の告白を
してほしいものです。
もちろん、愛しのせつなちゃんに(違)

「京四郎」と「神無月」がどう繋がっているのかは判りませんし、制作側もあえて明言を避けているようなふしも
感じられますが、(コメンタリの二期発言が声優さんの
勇み足なのか、企画倒れになってしまったのか)続編を
つくる意思がおありなのなら、やはり創ってもらいたいです。
たとえそれが前作に劣るだの何だのと酷評されようと、
姫子と千歌音(とその他)のホンモノの物語を描けるのは、生みの親である者だけなんだと。
やすっぽい模作話を手掛けてしまいつつも、自戒を込めていつもそう思います。

ネタ小話の更新はぼちぼちと…。
ちなみにこのブログでは、空と京四郎叩きがかなり
激しいのですが、それはひとえに管理人の愛だと思って
くださいまし。
こういう個性的なキャラは、もうとっても大好きです。
ではまた。
返信する

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