さて、次の記事を何にしようか色々考えたんですが
最近読んで一番印象に残った本にしました。
残念ながらマンガを期待してた人たちには、ごめんなさいです~
遺伝学の本です。
でも、そんなに(まぁ少しは。。。)難しくありません。
それより、へぇ~~!へぇ~~!?ってな記述がいっぱいあって
下手なSFより面白いのです!
著者のブライアン・サイクスというお方は、
イギリス・オックスフォードの人類遺伝学の教授でミトコンドリアDNA研究の第一人者。
その研究成果を一般向けに分かりやすく書き下ろしたのが
写真左側、第一作目の「イブの七人の娘たち」です。
話は、サイクス教授たちが
1991年にアルプスで発見された5千年前の男性のDNAを調べる所から始まります。
その結果、
何と!
5千年前のこの男と現代に生きる一人のイギリス人女性が親戚関係にある
ことが分かったのです!
その調査に使われたのがミトコンドリアDNA(長いので次からMDNA)。
母方からしか伝わないDNAです。
DNAって次の世代にコピーされて受け継がれていくんだけど
たま~に突然変異を起こすことがあるって知ってました?
しかも、その突然変異の頻度がこれまでの研究で分かってきてるらしいのです。
だから、それぞれのDNAを比べてその違いを比べると、
どのくらい前のご先祖なのか、
そして、どれくらい前に血縁が枝分かれしたかを追跡する事が可能なんですよ!
数多あるDNAの中でも特にミトコンドリアDNAを調べていけば
人類の母方のご先祖様に遡れるって事なんです。
で、そのMDNAを追跡していくと
15万年前にアフリカで生きた一人の女性に行き着くのです~!
その女性がミトコンドリア・イブ!
すごいと思いません!?
私たちはみんな親戚なのです!
人類みな兄弟!
肌の色や国・言葉・習慣で差別することの何とバカバカしいこと!
ご先祖様はみ~んな肌が黒かったのですから~!
サイクス教授はこの研究に刺激を受け、
ポリネシア人のMDNAを調べて、そのルーツがアジアにある(南米起源説もあった)事を証明します。
その後、彼は自分のご先祖であるヨーロッパ人のルーツに取り掛かります。
その結果、ヨーロッパ人には七人の母がいることを
そして、いつ(4万5千年前~1万年前)、どのルートでヨーロッパへやってきたかを解明したのです!
ここで、サイクス教授のすばらしい所は
彼女たちに名前を与え(アースラとかジニアとか)、
実在の人物として(確かに生きていたんだけど)生き生きと描写した事です!
そのため、読者は何万年もの前の世界をタイムマシンで覗いているような気分になるのですよ!
例えば、アースラの場合
彼女は4万5千年前(氷河期)の今のギリシャあたりの洞窟で生まれたのだけど
その頃の人類は、季節の移り変わりとともに移動する動物たちを追って暮らしていました。
その中で、アースラは15歳で結婚し、二人の娘を産んでその頃としては長生きの37歳で死んだのでした。
このように、まるで小説を読んでいるように、それぞれの母について物語をつづっていくのです。
勿論、個人的な物語はフィクションだけど
時代、生活風俗、習慣は考古学的考証に則っているので、リアリティがあって見てきたよう!
学者としての才能とこの物語を生み出す想像力。。。!
その二つの才能が一人の人間に中に合体して、この本をこの上なく面白くさせているのです。
この本が出た時点で世界の母(ミトコンドリア・イブの分家筋)は35人。
その中で、日本人の母は6人。
みんな日本人的な前が付いてます。
「エミコ」「ネネ」「ユミ」「チエ」「サチ」「アイ」と。。。
ちなみに、その後増えて9人に増えたみたいです。
↓
東ユーラシアの一族の母
現代遺伝学の成果をつづったこの一冊。
ほとんどSFの世界ですよ~!
そう言えば、「パラサイト・イブ」って言う、SFがありましたね。
(ホラー大賞をとった作品だけど、何でこれがホラーなのか。。。?
充分SFだろう!?)
で、このパラサイトが、ミトコンドリア。
何億年もの昔、今の生物がまだ原生生物だった頃、ミトコンドリアは別の生物で
ある時、一緒に共生することになって、ミトコンドリアは我々の祖先の細胞に取り込まれ
ともに進化してきた、つ~学説が元になってます。
この想像力を書き立てるSFチックな面白さもさることながら
一番に感動したのは
人間の歴史がほとんど男の歴史としてしか伝わっていない中で
人間の体の中には脈々と女の歴史が刻まれていた事なのですよ~!
女性として、こんなに誇らしいことはありません!
その人類(女)の歴史に思いをはせると、めまいのするような感動を覚えるのです!
この本に触発されて、日本人のルーツを扱った本を図書館から何冊か借りてきたけど
同系統のDNAをアルファベットで区分して記述した無味乾燥な本ばかり。
残念ながら、未だサイクス教授のような魅力ある文章を書ける学者さんにはまだ出会ってません。
ということで、
日本の学者さんも、もっと分かりやすい文章を書く勉強をしろよ~!
象牙の塔に閉じこもっているだけじゃ、ダメなんだぞ~!
一般人にも理解してもらえる努力をしろ~~!
と、自分のノータリンを棚に上げて八つ当たりしている所です。
さて、ここまでイブの物語を紹介してきたけど、
初心者ブロガーには難しすぎる本を選んだせいで、
書いては消し、書いては消し。。。(あぁ、疲れた!)
これだけ書くのに半日掛かってしまった。
ということで、アダムの物語はまた続きということにします~
最近読んで一番印象に残った本にしました。
残念ながらマンガを期待してた人たちには、ごめんなさいです~
遺伝学の本です。
でも、そんなに(まぁ少しは。。。)難しくありません。
それより、へぇ~~!へぇ~~!?ってな記述がいっぱいあって
下手なSFより面白いのです!
著者のブライアン・サイクスというお方は、
イギリス・オックスフォードの人類遺伝学の教授でミトコンドリアDNA研究の第一人者。
その研究成果を一般向けに分かりやすく書き下ろしたのが
写真左側、第一作目の「イブの七人の娘たち」です。
話は、サイクス教授たちが
1991年にアルプスで発見された5千年前の男性のDNAを調べる所から始まります。
その結果、
何と!
5千年前のこの男と現代に生きる一人のイギリス人女性が親戚関係にある
ことが分かったのです!
その調査に使われたのがミトコンドリアDNA(長いので次からMDNA)。
母方からしか伝わないDNAです。
DNAって次の世代にコピーされて受け継がれていくんだけど
たま~に突然変異を起こすことがあるって知ってました?
しかも、その突然変異の頻度がこれまでの研究で分かってきてるらしいのです。
だから、それぞれのDNAを比べてその違いを比べると、
どのくらい前のご先祖なのか、
そして、どれくらい前に血縁が枝分かれしたかを追跡する事が可能なんですよ!
数多あるDNAの中でも特にミトコンドリアDNAを調べていけば
人類の母方のご先祖様に遡れるって事なんです。
で、そのMDNAを追跡していくと
15万年前にアフリカで生きた一人の女性に行き着くのです~!
その女性がミトコンドリア・イブ!
すごいと思いません!?
私たちはみんな親戚なのです!
人類みな兄弟!
肌の色や国・言葉・習慣で差別することの何とバカバカしいこと!
ご先祖様はみ~んな肌が黒かったのですから~!
サイクス教授はこの研究に刺激を受け、
ポリネシア人のMDNAを調べて、そのルーツがアジアにある(南米起源説もあった)事を証明します。
その後、彼は自分のご先祖であるヨーロッパ人のルーツに取り掛かります。
その結果、ヨーロッパ人には七人の母がいることを
そして、いつ(4万5千年前~1万年前)、どのルートでヨーロッパへやってきたかを解明したのです!
ここで、サイクス教授のすばらしい所は
彼女たちに名前を与え(アースラとかジニアとか)、
実在の人物として(確かに生きていたんだけど)生き生きと描写した事です!
そのため、読者は何万年もの前の世界をタイムマシンで覗いているような気分になるのですよ!
例えば、アースラの場合
彼女は4万5千年前(氷河期)の今のギリシャあたりの洞窟で生まれたのだけど
その頃の人類は、季節の移り変わりとともに移動する動物たちを追って暮らしていました。
その中で、アースラは15歳で結婚し、二人の娘を産んでその頃としては長生きの37歳で死んだのでした。
このように、まるで小説を読んでいるように、それぞれの母について物語をつづっていくのです。
勿論、個人的な物語はフィクションだけど
時代、生活風俗、習慣は考古学的考証に則っているので、リアリティがあって見てきたよう!
学者としての才能とこの物語を生み出す想像力。。。!
その二つの才能が一人の人間に中に合体して、この本をこの上なく面白くさせているのです。
この本が出た時点で世界の母(ミトコンドリア・イブの分家筋)は35人。
その中で、日本人の母は6人。
みんな日本人的な前が付いてます。
「エミコ」「ネネ」「ユミ」「チエ」「サチ」「アイ」と。。。
ちなみに、その後増えて9人に増えたみたいです。
↓
東ユーラシアの一族の母
現代遺伝学の成果をつづったこの一冊。
ほとんどSFの世界ですよ~!
そう言えば、「パラサイト・イブ」って言う、SFがありましたね。
(ホラー大賞をとった作品だけど、何でこれがホラーなのか。。。?
充分SFだろう!?)
で、このパラサイトが、ミトコンドリア。
何億年もの昔、今の生物がまだ原生生物だった頃、ミトコンドリアは別の生物で
ある時、一緒に共生することになって、ミトコンドリアは我々の祖先の細胞に取り込まれ
ともに進化してきた、つ~学説が元になってます。
この想像力を書き立てるSFチックな面白さもさることながら
一番に感動したのは
人間の歴史がほとんど男の歴史としてしか伝わっていない中で
人間の体の中には脈々と女の歴史が刻まれていた事なのですよ~!
女性として、こんなに誇らしいことはありません!
その人類(女)の歴史に思いをはせると、めまいのするような感動を覚えるのです!
この本に触発されて、日本人のルーツを扱った本を図書館から何冊か借りてきたけど
同系統のDNAをアルファベットで区分して記述した無味乾燥な本ばかり。
残念ながら、未だサイクス教授のような魅力ある文章を書ける学者さんにはまだ出会ってません。
ということで、
日本の学者さんも、もっと分かりやすい文章を書く勉強をしろよ~!
象牙の塔に閉じこもっているだけじゃ、ダメなんだぞ~!
一般人にも理解してもらえる努力をしろ~~!
と、自分のノータリンを棚に上げて八つ当たりしている所です。
さて、ここまでイブの物語を紹介してきたけど、
初心者ブロガーには難しすぎる本を選んだせいで、
書いては消し、書いては消し。。。(あぁ、疲れた!)
これだけ書くのに半日掛かってしまった。
ということで、アダムの物語はまた続きということにします~