訪問看護ステーションジョジョ(株式会社THS&EK)のご案内

ジョジョは医療ニーズの高い人の訪問看護、療養通所(デイ)老人ホームをしています

老々介護2

2014-12-15 21:49:42 | 訪問看護
高齢者二人暮らし妻の認知症

初回訪問は、二人で行く。

夫は朝から苛立ち飲酒。
本当は優しいのだけど妻の認知症に疲れているよう。

家に入ると糞臭がする。
夫が掃除しているがトイレも部屋のジュータンも便がついている。
入浴しない。パンツに便を失禁している。
手にも便、足にも便、洋服にも・・・
看護師の顔を見ると「イヤー、嫌よ」と何もしない時から
暴れ、怒鳴りだす。

これは一人では無理だと思ったが
「ジョジョは何でも二人と言う」と言われると困るし(私も結構つらい)
暫くボランティアをした。
でも、いつまでもボランティアは出来ない。特別扱いと批判されても困るし

夫は「他人に見られたくない」と言う気持ちがあったようで
(多くの人はそうだが、そして引きこもり事故につながる)
始めの頃は「来なくて良い」と毎回、電話がかかった。
でも上手く話して訪問した。
訪問すると表情が変わる。
夫は笑顔になるが(よそ行きの表情)妻は今、叱られたばかりで機嫌が悪い。
「やよ・・やよ」と繰り返し表情が硬い。

夫のよそ行きの表情。
しかし3回目の訪問で夫は、よそ行きの顔が出来なくなった。
「死んでくれー。頼むー」と怒鳴りだす。
本人も大声で「$%&・・・」
ひとしきり怒鳴り合い、夫は泣いている。
この後、夫は、隠す事が無くなり看護師を待つようになった。
夫の話を傾聴する。
夫のストレスがいくらか和らいだのか夫が穏やかになり
そして本人も穏やかになった。
看護師を拒否せず迎え入れる。看護師と楽しく会話する。

いくらか落ち着いたので
夫に話した。「来月からは看護師、一人になりますね」
夫は「お金かかっても良いから二人できてほしい。私の話も聞いてほしい」と言われた。

アルコールの臭いと便臭はあったが
穏やかな日が続き
本人は看護師の促しで入浴したり足浴したり手浴したり出来るようになった。
また夫の入浴の後、一人で入浴し
看護師に「風呂入った」と嬉しそうに言い
とても調子が良かったのだが

腹痛で救急受診、下剤を服用するように言われ
また便失禁が始まった。
また家じゅう便だらけ
夫は本当に、とても優しいから
「死のうかと思う」と話すようになった。
無理心中していなければ良いがと思いながらドキドキしながら訪問していたが
やむを得ず
暴れる本人を施設に入れる事になった。

この後、1度夫を見舞ったが寂しいのだろう
話し続けていた。長くは居れないので30分程度で帰って来たが
誰でも捕まえて話しているようだった。

老々(でなくても)介護は本当に辛いと思う。
患者だけでない家族をサポート出来なければ
在宅での介護は悲惨だと思う。

在宅は治療が優先では無い
本人と家族が出来る限り穏やかに過す事が
大切なのではないか・・・と思う。