岡山県はとにかくうどん店が多い、それもほとんどがセルフうどん店である。
確かに隣が香川県だからそれも分かる。
テレビの天気予報では、地域的に岡山北部と岡山南部の天気を予報し、なぜかそこに香川県の予報もする。
ひとつのセットのようなのだが、慣れるまでに違和感がある。
銀行も香川銀行、百十四銀行など香川県本店の銀行もある。
そのような中でのうどん店(くうちゃん、アパート近く)、セルフと言っても、社内食堂や役所の食堂を思ってもらえば良いと思う。
自分でテーブルに持って来て、食べ終わったらトレーごと返せば良いだけである。
ところが、注文したうどんをトレーに乗せ、支払レジに行くまでのあいだに、えび天やイカ天、ちくわ、コロッケ、おにぎりなど、うどんにトッピングする具材が値札を付けて並んでいる。
ここを何事もなく通過するかしないかで、値段が大きく変わってしまうのである。
その具材たちはまるで純真な男を誘惑する熟女集団のようにも見える。
「ちょっと兄さん、あたいも連れてってよ、安くするから、たまにはいいじゃな~い、そのお皿に乗せてよ、前からでも後ろからでも好きにしていいから、ね~ん!」
えび天がそのように囁いているように思えて、思わず手が伸びそうになったけど、我慢にがまんをしてようやくテーブルたどりついた。
きつねうどん380円、天かすを少々のせて一気に食べきった。
うまかった。