先週末は3連休を利用して、娘が住むアレグレッチという内陸部の町に行った。
僕が住むポルトアレグレから西北西に約500キロメートル。人口は約7万7千人。小さな地方都市である。
バスで行きは7時間かかった。久しぶりのバス旅行でいい気分転換になったが、7時間はさすがに長かった。
最近のバスはブラジルでもWIFIがついていて、スマートフォンを使ってネットサーフィンをした。ただ、接続速度はめっちゃ遅いので、ページ閲覧にも時間がかかり、ストレスはたまる。
でも、全く出来ないよりはまし。
車中、Gメールでメールを送ったら、娘から返事が来た。
便利な世の中になったものだ。接続スピードこそ非常に遅いが、0と1では全く違う。まあ、ちょっとした気晴らしにはなる。
アレグレッチのバス停に到着すると、そこから歩いて5分ほどの娘が紹介してくれたホテルに直行した。予約しておかなかったが、案の定空き部屋はいくつもあった。
僕は娘と一緒に泊まれるように一番安い2人部屋を頼む。それから、スマホで母親にメールを送り、ホテルまで娘を連れてきてもらう。
車から降りてきた娘は、再会の嬉しさを噛み殺したような何とも言えない表情を浮かべていた。実に3ヶ月ぶりの再会。今までで娘を見なかった最長記録である。
自分が彼女の立場だったら、やっぱり嬉しいに違いない。毎日のようにメール交換こそしていたけど、やはりメールと実際に会うのとでは全然違う。
娘は最初はハイテンションであったが、娘が行きたいというピザ屋さんに連れて行き、席に座ると黙ってしまった。3ヶ月分の思いがあって、何から話せばいいのか分からないようだ。
僕が会話をリードすると、だんだん彼女も自然に話せるようになった。
自分が住んでいる町を初めて父親に紹介できるとあって、すごく嬉しそうだったし、誇らしげに町を案内してくれた。
到着翌日は彼女がよく行くスーパーに行き、そこの2階にあるレストランで昼食を取った。そして、夜は町の中心の広場にあるレストランで晩ご飯を食べた。
また、昼間は市内を歩いて見て回ったほか、彼女のアパートに自転車を取りに行き、娘は広場で自転車に乗って遊んだ。
4、5歳の時は補助輪をつけていたが、9歳の今は体に合わない小さな自転車を上手に操縦し、颯爽と広場で乗り回していた。
成長したなあと正直思った。
また、昼にホテルで僕が休んでいると、1人でスーパーに行って来ると言うので、水を買ってくるように頼むと、彼女は1人で買い物して帰ってきた。
いつもそういうことをしているのかを尋ねると、今回が「初めてのお使い」だと言う。恐らく母親がそういうことをさせないのだと思う。
「父親といると、いろいろな事が経験できて、大人に成長できるね」と僕はさらっと言った。
まあ、ブラジルは危険だから、仕方ない部分もある。でも、地方の小さな田舎町はそう危険ではない。やはり自分で出来ることはやらせて、自立を促した方がいい。僕はそう思う。
母親といるといろいろな制限を受け、彼女が自分の自由な意志の下に行動できない部分があるんだと思う。その点、父親はまた別の価値観を持っているので、自由にやらせてくれる。彼女はそれを本能で知っているから、自発的にお使いに行ったのだと思う。自分は一人で何でもできるのを僕に見せたくて。
どちらが正解という訳ではないのだから、違った価値観の両親を持つ子供は、そのいいとこ取りをすればいいのかなと思う。要は結果として良識を持った自立したいい大人に成長できればいいのだから。
話を戻すと、娘は僕の滞在中はずっと明るく、いつも冗談ばかり言っていた。ホテルにもWIFIがあったので、土曜日の夜は娘の祖父母である僕の両親とスカイプをした。
両親にも3ヶ月ぶりに孫の元気な様子が見せられて良かったと思う。
帰りのバスは途中でパンクして40分程度停車したほか、連休帰りの車が集中したためにポルトアレグレ近郊で渋滞に巻き込まれ、8時間半もかかった。
めっちゃ疲れた。でも、僕にとっても、娘にとっても、両親にとっても、有意義な価値ある旅行ができたのではと思う。
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