日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

国・町のスピード感

2012年11月23日 11時47分09秒 | ブラジル事情

 当たり前だけど、住む町や住む国によってスピード感の違いがあると思う。

 ブラジルでの最初の3年間はサンパウロから内陸に600キロメートル入った人口1万2千人の田舎で暮らしたのだが、そのスピードは恐ろしく遅かった。

 仕事をするスピードも、歩くスピードも、会話をするスピードも何もかも。

 ものすごく牧歌的。

 当時僕は東京でも比較的ゆっくりしたスピード感の葛飾区からこの地に移り住んだのだが、それでもスピードの違いにものすごく違和感を覚えた。

 一般的にスピード感が早い所から遅い所に行くのは比較的楽だと思うが、その逆はかなり難しいと思う。

 3年間もこの遅いスピード感の中で暮らし、僕は人として駄目になるんじゃないかと思った。と言うか、日本に再適応するのはかなり難しいと感じていた。

 結局、この田舎町から人口140万人のポルトアレグレに移り住んだ訳だが、最初はやはりそのスピード感の早さを感じた。

 仕事も早いし、人が歩くスピート、会話するスピードなど、何もかもがサンパウロの田舎町より早かった。

 それでも、時々サンパウロに行ったりすると、サンパウロの町のスピード感を肌で感じ、ポルトアレグレは州都とは言っても所詮は田舎で、スピードが遅いんだなと改めて認識させられる。

 こんなんだから日本へ帰って、東京駅や上野駅などに立ち寄ると、駅の構内を颯爽と歩く人達を見て、物凄くスピードの違いを感じる。

 また、あのラッシュアワーの混雑ぶりなんかを目の当たりにすると、もう異世界の出来事にしか思えなくなる。

 そして、このスピード感の中で僕が暮らすのはちょっと無理だなと思ってしまう。

 人にはそれぞれ心地よいスピード感があると思う。

 自分に合わない所で暮らし、体調や精神に支障をきたしたら元も子もない。自分を環境に合わせるのではなく、自分に合った環境を探し、そこで暮らすという発想もありだと思う。

 もし今の環境に耐えられないのであれば、自分に合ったスピード感を提供してくれる町・国を探してみてはどうだろう。

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