日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

水害に遭った田舎町を訪れてみて

2010年02月04日 05時37分31秒 | 旅行
 リオグランデドスル州の中央にあるファシナル・ド・ソトゥルノ(Faxinal do Soturno)という町に行ってきた。僕が住む州都のポルトアレグレ市から北西に約300キロメートル内陸に向かって入るのだが、バスで5時間ほどかかった。

 人口6400人ほどの小さな町で、もちろん信号機はなかった。僕はタクシーで町に1つしかないホテルに向かったが、タクシーメーターがないので、「タクシーメーターないの?」と運転手に聞いたら、市内は均一料金だそうだ。

 実はブラジルでは、昨年末から今年にかけて全国的に大雨が降っており、ブラジル各地で被害をもたらしている。僕が住むリオグランデドスル州も当然のように自然災害に見舞われており、僕が行った町の隣町に架かっている巨大な橋も年初に大雨で崩れてしまい、10数名の方が亡くなっている。

 この橋はリオグランデドスル州の中央部を貫く幹線道路であるために、周辺地域に及ぼした経済的損失は計り知れない。そして、この橋を再び架けるには少なくとも数年はかかるだろうと予想されている。従って、一時的な対応策として、渡し舟で車を通行させることを考えているらしい。

 僕は今回の旅でこの橋を通る必要はなかったが、同じ町にある他の橋も同様に崩れてしまったために、迂回用道路として農道を通る必要があった。農道は舗装されていないことから、ダンプやバスが泥にはまってしまうことも多く、通行が一時的に封鎖されてしまうなど、不便この上ない。

 冒頭に載せた写真がその橋である。僕はこの迂回用の農道の入り口で1時間以上待たされた。なぜすぐ改修工事にかからないのかが不思議だが、道路が州の道路であり、その予算がすぐには組めないというのが一番の原因かと僕は予想している。

 地元の人の話によると、この地域はブラジル随一の稲作地帯で、その土地面積に対する米の生産指数はブラジルで一番だそうだ。しかし、今回のこの大雨により、川が氾濫してこの地域一帯はすべて水浸しになってしまい、米の生産指数は半分以下になるだろうと嘆かれていた。

 ブラジルには地震がない。しかし、大雨、旱魃、ハリケーンといった自然災害はある。また、日本とは違い、強盗・殺人などの人災も多く、治安は非常に悪い。

 どこにいようと、どれだけ対応策を取っていても、リスクがゼロになることは絶対にない。リスクを負いながら(現実を受け入れながら)生きることが人生である。

 明日何が起きるかは分からないのだから、今を楽しく生きることが重要かなと思う。ブラジル人のように… ワイワイと…

  

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